ナスの“へた”も商品に! オイシックス、フードロス率脅威の0.2%に迫る

棚橋 慶次
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オイシックスの外にもフードロス削減を広げる

 いわゆる不揃い、傷のある野菜をそのまま販売する「ふぞろいRadish」も好評だ。会員の中でもより手作りにこだわるユーザーが集まる傾向のある「らでぃっしゅぼーや」のサービス。購入者からは、「不揃い野菜をどう上手に調理するか、腕の見せ所」という反応もあるという。

オイシックス経営企画部グリーンプロジェクトリーダーの東海林園子氏

 ただし、不揃い野菜の通販には問題もある。「思っていたよりも不揃いだった」「想像よりも傷が多かった」など、購入者のイメージとのギャップが生まれやすいためだ。オイシックスでは、アンケートなどを通じてきめ細かなヒアリングを実施し、どの程度までならほとんどの購入者が「問題ない」と感じるのか、顧客の許容範囲を細かく見極めつつ販売を行っているという。さらに、22年春には神奈川県海老名市に「フードレスキューセンター」を新設予定だ。不揃い野菜はもちろん、豊作によって余ってしまった食材を一括で買い付けることで、従来よりもスムーズなミールキットへの加工やアップサイクル商品への転換を目的とした施設だ。また、包装技術と温度管理を工夫することによって、食材の保存期間延長によるロス削減も見込んでいるという。

 これらの取り組みによってフードロス削減に邁進するオイシックスだが、「フードロス問題は、オイシックスだけが熱心に取り組んでいても解決しない。ムーブメントを日本全国に広げていく必要がある」とも東海林氏は語る。

 まず第一歩として、オイシックスの企画力を活かし他社と協力して新たな商品を開発する取り組みを始めているという。例を挙げると、えごま油抽出の際に生じる残さからぬか床を作る試みを福島県の企業と協力して行っており、商品はオイシックスだけでなく他社ブランドでも販売される。この取り組みには、外部を巻き込んでフードロス削減を推進することができることに加え、オイシックスの持つ知見を広め、加工技術をさらに高めることができるなどメリットが多い。

 フードロス削減に関しては一歩先を行くオイシックス。フードロス削減がオイシックスの外に広がれば、波及効果は大きい。今後の展開に大いに期待したい。

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