第40回 2021年のショッピングセンター総括と、コロナ後、売上はどこまで戻るのか?
テナント構成の変化とコロナ禍での売上の推移

21年開業のSC内のテナント数業種別構成比(図表4)を見ると、衣料品の11.8%に対して食関連が35.2%(食物販15.2%、飲食が20.0%)となり、引き続き衣料品の低下と食関連の高まりが指摘される。コロナ禍による在宅ワークの広がりや外出制限による食のデリバリー需要の高まりなどはあるがこの傾向は筆者がかねてより指摘している「衣食住から食住衣へ」の転換をコロナ禍がさらに加速させている。
20年1月に始まったコロナ禍によって大きくダメージを受けたSCだが、その売上高は20年の前年割れに続き21年も残念ながら19年レベルには戻っていない(図表5)。21年後半大きく収束の期待を持った新型コロナウイルスだったがオミクロン株の到来によりまた感染が拡大し、先の見えない22年の年明けを迎えることになった。

では、この先、元に戻るのか。この質問に対する答えは「戻るものもあれば、戻らないものもある」であり、言い方を変えると「戻りたいものは戻るし、戻りたくないものは戻らない」となる。
在宅ワークを希望しても出社を求められるような半ば強制的なものはさておき、一度便利さを経験したものはそう簡単に戻ることは無いだろう。
ではどの程度戻るのだろうか?
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