レシートは語る第6回 「オーケー」の強さの実態 購入データから見えた周到な戦略

山室 直経 (mitorizDMB本部 本部長)
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調査結果で強さ歴然!
低価格を実現し全体売上高を伸ばす

 さらに21年1月~10月までのレシートデータを分析し、購入状況を比較した(図表3)。

 オーケーのレシート1枚あたりの平均単価は198円と最も低い。一方で平均購入点数は8.3個、平均購入金額は1647円で、3チェーンを上回っている。

 このようにオーケーは、他チェーンよりも低価格を実現し、それが消費者からの支持につながり、購入点数・金額で競合に差をつけていることが調査結果に表れている。

 そして今回の調査結果からは、購入頻度の高い日配の訴求、精肉の高い支持、名物商品の育成、消費ニーズの高まる冷凍食品ニーズへの対応なども強さの理由となっていることがわかった。同業他社はこれらオーケーの強さの実態を把握したうえで対策を講じるべきであろう。

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記事執筆者

山室 直経 / mitoriz DMB本部 本部長

山室直経(やまむろ・なおつね)

神奈川大学経営工学科卒業。パソコンメーカーを経て、米リサーチ会社にてコンサルティング業務を学ぶ。その後、大手家電量販店子会社のパソコンメーカーで経営企画室に従事。計数管理とERP導入による業務改善などのプロジェクトを経験した後、2012年3月ソフトブレーン・フィールド入社、消費者購買データ事業の新規立ち上げを行う。

現在はデータを軸とした事業開発と当社の基幹システムのDX戦略を担う

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