完全失業率、コロナ離職で5月は3.0%に悪化 求人倍率1.09倍と横ばい

ロイター
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総務省が29日発表した5月の完全失業率(季節調整値)は3.0%で、前月(2.8%)から0.2ポイント上昇した。厚生労働省が発表した5月の有効求人倍率(季節調整値)は1.09倍で、前月と同水準だった。 東京都で1月撮影(2021年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 29日 ロイター] – 総務省が29日発表した5月の完全失業率(季節調整値)は3.0%となり、前月から0.2ポイント上昇した。新型コロナウイルス感染症の影響による離職が影響したとみられる。厚生労働省が発表した5月の有効求人倍率(季節調整値)は1.09倍で、前月と同水準だった。

完全失業率を含めた労働力調査の期間中、コロナの感染を抑制するため、緊急事態宣言措置がとられていた。4月の対象地域は4都府県だったが、5月は10都道府県に拡大していた。

完全失業率は、ロイターの事前予測調査で2.9%と予想されていた。

完全失業者数(実数値)は211万人で、前年同月に比べて13万人増加。16カ月連続の増加となった。求職理由別では「勤め先や事業の都合による離職」が8万人増加。「自発的な離職(自己都合)」は6万人の増加となった。

男性の失業率は3.2%と前月と同水準。女性は2.7%と前月から0.4ポイント上昇した。もともと就業者としてカウントされていた人が離職し、非労働力人口になることなく職を探しているという状況が女性の方に出た可能性があるという。

就業者数(実数値)は6667万人で前年同月比11万人増加。2カ月連続の増加。宿泊・飲食サービス業で8万人、運輸・郵便業で14万人それぞれ減少した。一方、医療・福祉は51万人増加した。

休業者数(実数値)は212万人と、4月に比べて13万人増加した。緊急事態宣言の対象地域が拡大したことで、宿泊・飲食サービス業の休業者が増えたとみられている。

新規求職申込件数は減少

有効求人倍率は事前予測で1.08倍が見込まれていた。1倍を上回ってはいるものの、新型コロナの流行前に比べると低水準で、雇用状況には引き続き厳しさがみられる。

有効求人倍率は仕事を探している求職者1人当たり、企業から何件の求人があるかを示す。月間有効求人数(季節調整値)は前月に比べて0.3%ポイント減少、有効求職者数(同)は0.4%ポイント減少となった。

求人、求職はともに3カ月間有効で、今回は21年3、4、5月の動きが反映されたもの。5月の新規求職申込件数(同)は同11.7%ポイント減とやや大きく減った。緊急事態宣言等による先行き不透明感や、新型コロナ変異株流行などで外出を手控える動きが出たことなどが影響したとみられている。

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