洋館が建ち並ぶ大人の街、京都・烏丸御池 老舗人気店で「かきごはん」を食す

2024/02/16 05:59
森本 守人 (サテライトスコープ代表)
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仕事で各地へ行くと、その土地で人気のある飲食店を探すのを毎度楽しみにしている。しかしスマホで検索しても、なかなか“当たり”に巡り合わない。きっと京都を訪れる方も同じだろうと、今回、地元民の私が紹介したい店がある。周辺には見どころも多く、機会があれば足を運んでほしいと思う。

人気の飲食店で「かきごはん」をいただく

立派な洋館が並ぶ三条通

 京都市中心部、市営地下鉄の「烏丸御池」駅から「京都市役所前」駅にかけては、落ち着いた雰囲気の中にも見どころが多い“大人の街”である。清水寺や伏見稲荷大社周辺のような派手さはないが、観光スポットや人気店も点在、個人的におすすめしたいエリアだ。

三条通には洋館が多い。写真は明治9年(1906年)竣工の「みずほ銀行京都中央支店」(旧第一勧業銀行京都支店)

 おすすめの飲食店へ行く前に、見物がてら歩く。

 カフェや雑貨店、ブティックなどに混じり、あちらこちらで見られるのは洋館である。京都といえば京町屋はじめ和風建築を想像する人は多いと思うが、実は明治や大正期の異国情緒あふれる建物が多い。

 三条烏丸交差点にあるのは、明治9年(1906年)竣工の「みずほ銀行京都中央支店」(旧第一勧業銀行京都支店)。実は1999年に一旦、取り壊されたが保存を求める声を受け、2003年に復元された。

明治35年(1902年)に建築された「中京郵便局」

 三条通を東に進み、東洞院通との交差点に見えるのは明治35年(1902年)に建築された「中京郵便局」。1970年代、改築計画に伴い、一旦は取り壊しが決まったが、こちらも反対運動によって、外壁だけ残して内部を新築するという手法により今も当時の姿を残している。それにしても日本の企業や国は古い建物を壊すことに抵抗がないのかと、少し憤りを感じるね。

 さらに東へ進むと、旧日本銀行京都支店だった「京都文化博物館」。これも先ほどの、旧第一勧業銀行京都支店と同様、建築家、辰野金吾の設計によるもの。

俵屋旅館には、Apple共同創始者のひとり、かのスティーブ・ジョブズのほか、ロックミュージシャンのデヴィット・ボウイも宿泊した

 洋館だけではない。「柊屋」「俵屋旅館」「炭谷旅館」という「京都三大旅館」があるのもこのエリアだ。以前にもこのコーナーで触れたことがあるが、これらの老舗旅館には、Apple共同創始者のひとり、かのスティーブ・ジョブズのほか、ロックミュージシャンのデヴィット・ボウイも宿泊している。

 さらに東へ移動すると、「本能寺」はじめ寺院が多い寺町通が見えてくる。ここまで来ると河原町通も近く、賑やかな雰囲気である。

寺町通にある「本能寺」

 そんなエリアの一角にあるのが、今回、食事をする「わたつね」。ネットで調べると「京味菜 わたつね」と「石臼蕎麦 わたつね」、2種類の店名が出てきて、どちらが正しいのか定かではない。メニューには「京の定食とおかず」とのキャッチコピーがあり、これが一番しっくりくる。

 それはともかく早速、店内へ入る。

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記事執筆者

森本 守人 / サテライトスコープ代表

 京都市出身。大手食品メーカーの営業マンとして社会人デビューを果たした後、パン職人、ミュージシャン、会社役員などを経てフリーの文筆家となる。「競争力を生む戦略、組織」をテーマに、流通、製造など、おもにビジネス分野を取材。文筆業以外では政府公認カメラマンとしてゴルバチョフ氏を撮影する。サテライトスコープ代表。「当コーナーは、京都の魅力を体験型レポートで発信します」。

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