京都・四条烏丸で人気! 老舗喫茶店「高木珈琲本店」で楽しむモーニング
京都市中心部の四条烏丸は、オフィスビルが軒を連ねるビジネス街である。また、商業施設、おしゃれな居酒屋、カフェなどの飲食店が集積し、周辺は人気のスポットとなっている。今回は、そんな活気ある場所でモーニングメニューを食べるという話だ。

外国人観光客も増えた四条烏丸エリア

朝の四条烏丸周辺は、スーツ姿のビジネスパーソンが忙しそうに行き交っている。阪急電鉄「烏丸」駅、京都市営地下鉄「四条」駅から出てきた人々が銀行や商社などが入るオフィスビルへ次々と吸い込まれていく。
一方、ゆっくりと歩くのは外国人観光客。1年前と比べるとかなり増えており、この半年の間だけでも目に見えて多くなった。彼らは総じてカジュアルな格好で、春先の肌寒い時期でも半袖、短パンでうろうろしている人も目立つ。
スーツ姿の日本人とラフなファッションの外国人が入り混じる、何とも不思議な光景を目撃できるのが最近の京都市中心部事情である。

さて、四条烏丸交差点を出発し、すぐ目的地へと向かいたいところだが、近くにある観光ポイントをいくつか紹介したい。烏丸通を南下、烏丸高辻交差点を東へ入ってしばらく歩くと、真宗佛光寺派本山の「佛光寺」が見えてくる。建暦2年(1212年)、京都・山科で草庵を結んだのがその始まりだ。
その後、天正14年(1586年)に豊臣秀吉の要請で現在の場所に移った。境内には天皇家から記念植樹された枝垂れ桜があるなど桜の名所で、シーズンを見計らってぜひ訪れてほしいと思う。

烏丸通に戻り、さらに南下すると「烏丸松原界隈の今昔」と題された表示物がある。実はここ、百貨店「髙島屋」創業の地なのだ。天保3年(1831年)に起こした「古着木綿商」が始まりだという。流通関係の方なら一度は訪れる価値があるだろう。

と、あちこち歩いたところで本日の目的地へ向かう。先ほど佛光寺へ行く時に曲がった烏丸高辻交差点まで戻り、今度は西へ100mの場所にあるのが「高木珈琲本店」。出発した烏丸交差点からだと約5分の距離にある。
レトロな外観を見ただけで気持ちは高まりまくっている。平静を装いつつ、私はドアを開けた。

厚めのトーストが最高
時間は午前10時過ぎ。やや中途半端な時間帯にもかかわらず店内はほぼ満員である。しかし席を立つお客がおり、入れ替わりのタイミングで運良く座ることができた。
この老舗喫茶店の創業は1976年。京都の有名コーヒーチェーン「イノダコーヒ」出身の仲間同士で立ち上げたのが起こり。自家焙煎した豆を使った本格的味わいのコーヒーを出すほか、各種フードメニューも豊富で、長く地元の人に愛されている。なお、午前中は禁煙だが午後からは喫煙可能になる。そのため、受動喫煙防止条例に基づき、20歳未満は終日禁止になっている。
席に陣取った私は早速、メニューに目を通す。AからCまでの3種類のセットに加え、ホットドッグやパンケーキなどが載っている。そのうちトーストにスクランブルエッグ、ソーセージ、ポテトサラダがついたAセット(900円)を注文した。

料理が来る間、周囲を見渡すと客層は多様である。新聞をじっくり読んでいる地元客と思われる年配男性のほか、中年カップル、またスーツケースを横においた欧米やアジア系観光客の姿もあった。どのお客も食べているのはモーニングである。やはり考えることは皆同じだ。
注文してから7〜8分ほどで私の目の前に置かれたのがこれ。

どうです、おいしそうでしょう。まだ塗りたてのバターが完全にトーストに染み込んでおらず、窓から差し込む太陽光が当たりきらきらしている。
フォークを持ち、まずスクランブルエッグをいただく。少しケチャップをつけたところ、濃厚でとてもおいしい。絶妙のトロトロ感の卵がたまらない。続いてトースト、パンは厚みがあり、最高である。香りのよいコーヒーを少しふくみ、それからソーセージ、ポテトサラダと次々と手を伸ばした。夢中で口へ運び、そして完食した。


満足満足。私は幸福感に包まれ、しばし佇んでいた。ふと入り口の方に目をやると、数組のお客が行列している。地元民としては待たせるのは申し訳なく、すぐに席を立ち、店を後にした次第である。
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