観光客はまだ知らない! 京都・四条大宮の老舗中華そば店の意外な名物メニュー

2025/06/06 05:10
森本 守人 (サテライトスコープ代表)
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京都・四条大宮は、魅力あるエリアだ。歴史的な見どころが多いほか、夜の飲み歩きもできる。さらにインバウンド客が少ないという穴場的な一面も、地元民を強く引きつける理由である。今回は、そんな四条大宮をあちこち巡った後、老舗の中華そば店で名物メニューを食べるというお話しである。
※価格はすべて税込、取材当時のもの

京都人の心をつかむカレー中華
京都人の心をつかむ「カレー中華」(1000円)

かつて新選組が闊歩した街を散策!

 一般的に京都で人気の観光地といえば、伏見稲荷大社、金閣寺、嵐山、祇園を連想する人は多いだろう。延々と続く朱色の鳥居、荘厳な金色の建物など、いずれも写真に収めたい名所が存在し、「京都へ行ってきた」という満足感を得やすいのが特徴だ。

 しかし、京都には他にも魅力的な場所が数多くある。そのひとつが四条大宮だ。歴史好きにとって飽きることのない史跡が点在し、食事や酒を楽しめる店も豊富にそろっている。

インバウンド客が少ない四条大宮
インバウンド客が少ない四条大宮

 近年、京都市中心部はどこに行っても訪日外国人観光客でごった返しており、日本人の観光客が減少傾向にある報道も耳にする。そうしたなか、都心部にほど近い場所でありながら、ゆっくりと過ごせるのが四条大宮の魅力といえるだろう。

 その四条大宮で、歴史ファンに訪れてほしいのが壬生(みぶ)寺。正暦2年(991年)に創建された由緒ある寺院だが、幕末には新選組が境内で大砲や剣術、馬術の訓練をした場所として知られている。

新撰組ゆかりの壬生寺
新撰組ゆかりの壬生寺

 四条大宮の北側一帯は、1200年以上前の平安時代には平安宮があった場所である。阪急電鉄京都本線「大宮」駅前の交差点から北西へと延びる後院(こういん)通を進むと、やがて千本通に合流する。現在の千本通は、かつての平安京のメインストリートであった朱雀大路の跡にあたる。

 はるか昔に思いを馳せつつ京都の町を歩けばまるでタイムマシンで過去にさかのぼるような感覚になる。歴史好きにとってこれほど心躍る時間はないだろう。

四条大宮はあの名店の発祥地?

 四条大宮といえばもう1点、決して忘れてはならないことがある。それは全国展開する人気中華料理チェーン「餃子の王将」が、この四条大宮で創業したということだ。1号店は現在も営業を続けており、建物の一角には「餃子の王将発祥の地」との記念プレートが設置されている。王将ファンにとっては聖地ともいえる場所だ。

「餃子の王将」の1号店
「餃子の王将」の1号店

 さて今回の行き先は、王将1号店の北隣にある「中華そば 京一本店」(京都府京都市)である。店舗入口の横には、食品サンプルがずらりと並ぶレトロなショーケースが設置されており、独特の雰囲気を醸し出している。

王将の北隣にある「中華そば 京一本店」
王将の北隣にある「中華そば 京一本店」

 ここへ来るのは数年ぶりだ。私は高鳴る胸の鼓動を抑えながら暖簾をそっとくぐった。

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記事執筆者

森本 守人 / サテライトスコープ代表

 京都市出身。大手食品メーカーの営業マンとして社会人デビューを果たした後、パン職人、ミュージシャン、会社役員などを経てフリーの文筆家となる。「競争力を生む戦略、組織」をテーマに、流通、製造など、おもにビジネス分野を取材。文筆業以外では政府公認カメラマンとしてゴルバチョフ氏を撮影する。サテライトスコープ代表。「当コーナーは、京都の魅力を体験型レポートで発信します」。

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