上位企業は軒並み増収! 大復活の外食企業決算分析2025

ダイヤモンド・チェーンストア編集部 (株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア)
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日本フードサービス協会(東京都)によると、2024年の外食産業の売上高は対前年比8.4%増だった。2ケタの伸び(同14.1%増)となった前年と比べると伸び率は鈍化したものの、コロナ禍からの客数回復に加え、原材料費の高騰に伴う値上げも後押しし、3年連続で前年を上回った。

業態別売上も、「ファーストフード」「ファミリーレストラン」「喫茶」「ディナーレストラン」「パブレストラン/居酒屋」とすべての業態で前年を上回っている。

 外食チェーンの2024年度業績は、前期に引き続き上位10社すべてが増収となった。コロナ禍からの人流の回復、経済活動の正常化の影響が主な増収要因だ。また、インバウンド需要の拡大も売上伸長に貢献している。ただ、足元ではコメをはじめとした食材コストが上昇しており、商品価格を値上げせざるを得ない状況となっている。

すき家(ゼンショー)
日本フードサービス協会によると、2024年の外食産業の売上高は対前年比8.4%増だった

 上位企業の動向に目を向けると、ゼンショーホールディングス(東京都)の25年3月期連結業績は、売上高が対前期比17.7%増の1兆1366億円、営業利益が同39.9%増の751億円で、増収・営業増益だった。

 セグメント別の既存店売上高は、「グローバルすき家」が同9.8%増、「グローバルはま寿司」が同17.1%増、「なか卯」「ロッテリア」などの「グローバルファストフード」が同8.8%増、「ココス」「ジョリーパスタ」などの「レストラン」が同11.7%増と、いずれも前期実績を上回った。

 2位の日本マクドナルドホールディングス(東京都)の24年12月期連結業績は、チェーン全店売上高が同6.6%増の8291億円、営業利益は同17.5%増の480億円でいずれも過去最高を記録した。

 24年度は、22年度を初年度とする3カ年の中期経営計画の最終年度にあたる。同中計では、「全店売上高年平均成長率5%前後」「営業利益年平均成長率3~5%」「営業利益率10%以上」という目標を掲げていたが、最終年度までにこれらをすべて達成。既存店売上高も同5.0%増と37四半期連続増収を記録するなど、好調を続けている。

食材コスト上昇も業績は好調に推移

 すかいらーくホールディングス(東京都)の24年12月期連結業績(IFRS)は、売上収益が同13.0%増の4011億円、営業利益は同106.9%増の241億円だった。既存店売上高は同11.6%増、月次売上高も年間を通して対前年同月比10%前後で推移した。

 食材コストの高騰により、売上高総利益率は67.4%と同0.3ポイント低下した。ただ、値上げによる各メニューの粗利益率の改善や、店舗での食材ロスの低減、部門横断の原価低減プロジェクトを推進するといった施策により、依然、業界最高水準の利益率を維持している。

 同社では25年12月期より、3カ年の中期事業計画がスタートしている。同計画では、最終年度にあたる27年12月期の目標として、売上高約4600億円、営業利益約320億円、ROE9~10%という数値目標を掲げている。この達成のため、25年12月期から27年12月期の3年間で

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