損益計算書とは? 経営判断に役立つ? その意味から読み方まで徹底解説!

読み方:そんえきけいさんしょ(PL)
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損益計算書とは

損益計算書とは、一定期間における企業の業績を明らかにする決算書のことで、①売上総利益、②営業利益、③経常利益、④税引前当期純利益、⑤当期純利益と主に5つの利益区分が記載されている。「Profit and Loss Statement」を略して「PL」とも呼ばれる。

損益計算書イメージ
i-stock/Wako Megumi

決算書は、フローである経営成績を開示する損益計算書のほか、企業の財政状態(ストック)をつまびらかにする「貸借対照表(BS)」、金の流れを示した「キャッシュフロー計算書(CS)」で構成される。

損益計算書は、企業経営者の経営判断に役立てることができる。たとえば店舗建築に10億円投資したとして、毎年の売上高が2億円だったと仮定する。収支計算では、収入2億円‐支出10億円=マイナス8億円では勘定が合わない。

損益計算書では、回収期間で投資額を按分し、期間費用化する。回収期間が20年なら、売上2億円-期間費用0.5億円(10億円÷20年)=1.5憶円で、充分にリターンが見込める投資ということがわかる。

損益計算書の実例

損益計算書をはじめとした決算には、経営者の意思が働きやすいといわれてきた。最近は海外投資家からの圧力もあり、国際財務報告基準(International Financial Reporting Standards:IFRS)を導入する企業も増え、厳格化が進んでいる。金融庁の指導により会計士の姿勢も以前より厳しくなり、経営者の恣意的な判断は入りにくくなった。

損益計算書の実例として、ニトリホールディングスを参考に「損益計算書の読み方」を解説する。家具のSPA(製造小売業)として競合他社を寄せつけず成長を続ける同社だが、その強さは損益計算書にも表れている。

では、損益計算書はどこを見ればいいか。今回は2022年2月期の損益計算書を材料とし、売上高、営業利益にポイントを絞り考察する。

まず、「読む」ポイントは売上高の対前年比にある。ニトリホールディングスの売上高は8115億円で、前期に対し13.2%伸びている。2ケタのプラスは高い成長のあかしとして評価できる。ちなみにニトリホールディングスは上場以来ずっと増収を維持しており、売上高は30年前の50倍近くに達している。

次に、稼ぐ力の指標として売上高営業利益率に注目したい。ニトリの営業利益は1383億円で売上高営業利益率は17.03ポイントに達する。10ポイントに乗せる企業すら珍しい中で、10ポイント後半という数字は、高い伸長を見せているといえる。

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