棚割りとは?売れ行きを左右する棚割りの重要性を徹底解説!

読み方:たなわり
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棚割りとは

棚割りとは、小売店における商品陳列の配置決めのことである。棚割りのポイントはグルーピング、ゾーニング、フェイシングの3つだ。

棚割のイメージ
棚割りとは、小売店における商品陳列の配置決めのことである。 i-stock/tupungato

グルーピングは商品のジャンル分けで、業種によって「調味料」「バーベキュー用品」「化粧水」などさまざまなグループ(カテゴリー)がある。

ゾーニングは、店舗内のどこにどのカテゴリーの商品を配置するかだ。関連商品を隣の棚に配置するなど、顧客がスムーズな動線で買物できるようにするよう配慮する場合が多い。店の主力商品をメインの通路に配置するなど、販促や提案もゾーニングの要素だ。

フェイシングは、売場に陳列する商品と、その商品のフェイス(商品陳列の最前面)数を決定することを指す。売れ筋商品ではフェイス数を多くし、売れ行きの鈍い商品ではフェイス数を少なくするといったように、販売量に対応させることが多い。

また、棚割りではゴールデンゾーンと呼ばれる「買物客の胸から上の高さ」が重視される。目につきやすく、商品を取りやすいこの高さに、売れ筋商品を陳列するのが棚割りの定石だ。

棚割りのメリット

メリットのイメージ
適切に棚割りを行うことによって顧客は商品を探しやすくなり、ストレスなく買物ができる。

適切に棚割りを行うことによって顧客は商品を探しやすくなり、ストレスなく買物ができる。それによって店舗は「買物しやすい店」と評価されて、売上を伸ばすことができる。

また、適切な棚割りは目当ての商品を見つけやすくするだけでなく、新たな興味や欲望を喚起する力がある。生活提案のある関連商品の陳列が、買物客の購買意欲を刺激するのだ。

棚割によって商品管理がしやすくなるのもメリットだ。商品の陳列場所・数が明確になることで品切れや過剰在庫を防ぐことも可能になる。販売戦略に応じてゾーニングやフェイシングを行うことができるのも、管理された棚割りのメリットだ。

棚割りのデメリット

棚割りは、季節要因や売れ筋の変動、販売戦略の変化によって定期的に見直す(更新する)必要がある。見直しのタイミングを誤ると、店内にデッドスペースが生じて売上に悪影響を及ぼす場合もある。またトレンドを外した棚割りは店の活気を失わせ、顧客の購買意欲を低下させる。

一方であまりに頻繫な棚割りの変更は顧客を戸惑わせるとともに、店側の負担にもなる。業種によって棚割の見直し頻度は異なるが、適切な頻度を定めて定期的に行うことが重要だ。また、棚割りの変更内容と商品ごとの販売実績の変化の関係は常に把握しておく必要がある。そのデータが次の棚割り決定の基準になるからだ。

棚割りの実例

カルビー(東京都)は小売店に対する棚割り提案に、NECの「店頭棚割画像解析サービス」を導入した。これは、売場の商品棚をスマホで撮影し画像認識を行うことで、棚割り状況を解析できるサービスだ。

カルビーでは従来、店舗営業担当者が目視で陳列状況を調査し、棚割りの提案を行っていた。しかし調査工数が多いことと、より正確なデータに基づいた提案ができないかという点が課題になっていた。

「店頭棚割画像解析サービス」の導入によって、店舗営業担当者の調査業務が効率化され、陳列状況を正確に把握できるようになった。それによってカルビーは小売店に、より具体的な改善策の提案をすることが可能になったのだ。

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