日本人の食物繊維不足に警鐘、はくばくがプレスセミナーを開催

穀物を中心とした商品開発を行う食品メーカーである「はくばく」(山梨県)は、2025年4月に改訂予定の「日本人の食事摂取基準」を前に、食物繊維研究の第一人者を招いたプレスセミナーを3月17日に開催した。
テーマは「日本人の食物繊維不足」。食生活の変化により食物繊維摂取量が減少している現状に対し、穀物由来の食物繊維の重要性や具体的な摂取方法について専門家が解説した。
厚生労働省が示す「日本人の食事摂取基準」は5年ごとに見直されており、2025年の改訂では食物繊維の推奨摂取量が1日25gに設定される。しかし、日本人の平均摂取量はそれを大きく下回り、約10gの不足が指摘されている。特に、かつて日本人の主な食物繊維源だった穀物由来の摂取量は、1955年と比較して大幅に減少。近年の野菜価格の高騰も追い打ちをかけ、食物繊維を十分に摂取することが難しくなっている。
同セミナーでは、最新の研究データに基づき、穀物由来の食物繊維が腸内環境を整え、健康維持に重要な役割を果たすことが紹介された。また、学校給食や自治体での先進的な取り組み事例を交え、食物繊維の効果的かつ経済的な摂取方法についても説明。新たな食習慣として「おこめにプラス」の提案がなされた。
「おこめにプラス」は、白米に大麦や雑穀を混ぜることで、食物繊維を手軽に摂取できるというもの。特別な調理は不要で、普段の食事に取り入れやすい点が特徴だ。はくばくはこの新しい食文化を普及させることで、日本人の食物繊維摂取量の向上を目指している。
セミナーでは、食物繊維を効率的かつ経済的に摂取するためのメニュー提案が行われ、実際に試食の機会も提供された。参加者からは「簡単に取り入れられる工夫が参考になった」「食事のバランスを見直すきっかけになった」といった声が寄せられた。
はくばく代表取締役社長の長澤重俊氏は、「みんなが楽しめる豊かな食生活として、おこめの中に大麦・雑穀を混ぜる。そういう食文化を作っていきたい」と意気込みを語った。
今後、はくばくは自治体や教育機関との連携を強化し、食物繊維不足の解消に向けた取り組みを推進していく方針だ。

