厚生労働省が27日発表した2023年の賃金構造基本統計調査によると、フルタイムで働く人の賃金(月額)は平均で31万8300円と、前年比2.1%増加した。賃上げ機運の高まりを背景に、2年連続で過去最高を更新。伸び率は2.6%だった1994年以来、29年ぶりの大きさだった。
企業規模別に見ると、従業員数が10~99人の小企業は3.3%、100~999人の中企業は2.8%、それぞれ増加した。いずれも20代、60代の伸びが目立った。人手不足で人材の獲得競争が激化する中、労働力を確保するため、活力のある若手や経験豊富な高齢者層の待遇改善に重点を置いたようだ。
一方、1000人以上の大企業は0.7%減少。人手を確保するため、賃金水準が比較的低い非正規労働者や未経験者の採用を進めたとみられる。
調査は従業員10人以上の企業を対象に、昨年6月分の賃金などについて集計した。