ユニクロ、売上高3兆円へ=海外出店加速―24年8月期
カジュアル衣料「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングが12日発表した2024年8月期連結業績見通し(国際会計基準)は、売上高に当たる売上収益が前期比10.2%増の3兆500億円と、初の3兆円台を見込んだ。海外でユニクロの出店を加速させ、1744店に増やす計画。純利益は4.6%増の3100億円と予想した。
東京都内で記者会見した柳井正会長兼社長は、5年後(28年8月期)に売上収益を5兆円に引き上げる目標に向け、「道筋は見えた」と強調。長期的には10兆円を目指す考えだ。
23年8月期連結決算は、売上収益が前期比20.2%増の2兆7665億円、本業のもうけを示す営業利益は28.2%増の3810億円。純利益も8.4%増の2962億円で、いずれも過去最高を更新した。海外での販売が好調だった上に円安で収益が膨らんだ。中国や東南アジアに加え、欧米での出店を増やし、8月末時点の店舗数は国内の800店に対し、海外は2倍の1634店に達した。
柳井氏は、9月1日付で自ら兼務していた子会社ユニクロの社長を退いた。会見では、引き続きユニクロの会長兼CEO(最高経営責任者)として経営に携わる考えを示しつつ、「20~30代の経営者候補を発掘していく」と指摘。自身の後継候補に注目が集まる中、次世代の経営者育成に注力する方針を強調した。