収益改善、期待できず=ファンド傘下で、再ストも示唆―そごう・西武労組委員長
米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループ傘下に入ったそごう・西武労働組合の寺岡泰博委員長は22日までにインタビューに応じ、新たな親会社の下で4期連続赤字の収益構造が転換する見込みについて、「(期待は)全くない」と述べた。百貨店事業と雇用の維持に向け労使協議を続ける一方、不調に終われば再びストライキに踏み切る可能性も示唆した。
そごう・西武は首都圏7店舗に加え、西武秋田店(秋田市)、西武福井店(福井市)、そごう広島店(広島市)の計10店舗を展開。このうち旗艦店の西武池袋本店(東京都豊島区)について、フォートレスは土地を家電量販大手ヨドバシホールディングス(東京)に売却、店の半分を家電売り場にする。ヨドバシは西武渋谷店(同渋谷区)とそごう千葉店(千葉市)にも出店する計画だ。
寺岡氏はこれに対し、「赤字の地方店を放置し、一番の稼ぎ頭をたたき切るもの」と批判。池袋本店は「黒字でなくなる可能性がある」とした上で、「本店が営業力や交渉力をなくせば、厳しい地方店を背負い続けるのは厳しい」と指摘し、地方店を中心に、店舗継続に強い危機感を示した。
労組は8月31日、当時の親会社セブン&アイ・ホールディングスに対抗し、百貨店業界では61年ぶりとなるストを池袋本店で決行。フォートレスは9月1日の買収後の労使協議で、店舗と雇用の維持を表明したという。
寺岡氏は、約束の履行を求めて協議を継続する意向を強調。「(労働者の)権利の行使は意思表示としてやるべきだ」とも述べ、2度目のストも辞さない構えを示した。