三井物産は22日、台湾の洋上風力発電事業にカナダ企業と共同で参画し、総額約2600億円を出資すると発表した。再生可能エネルギー分野の投融資としては過去最大。中国との緊張関係が続く台湾だが、政府系電力会社などと長期売電契約を結び、安定的な収益が見込めるという。
台湾西部沖合の「海龍(ハイロン)洋上風力発電」事業に、カナダの発電大手ノースランド・パワーと共同参画する。出資比率はノースランドが60%、三井物産が40%。総事業費は約9600億円で、風力タービン73基を2025年末から順次稼働させる。発電量は、台湾の一般家庭100万世帯超の消費量をまかなえる規模だという。
台湾有事に備え、日本政府系金融機関の貿易保険に加入する予定。記者会見した相野谷威彦プロジェクト開発第一部長は、「台湾は風力発電の適地。関連制度やサプライチェーン(供給網)も他のアジア諸国より整いつつある」と述べ、将来性に期待を示した。