1月の実質賃金、4.1%減=物価高で8年8カ月ぶり落ち込み
厚生労働省が7日発表した1月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)によると、基本給と残業代などを合わせた現金給与総額(名目賃金)に物価の変動を反映させた実質賃金は、前年同月比4.1%減となった。物価の高騰に比べ賃金の伸びは鈍く、マイナスは10カ月連続。落ち込み幅は2014年5月(4.1%減)以来、8年8カ月ぶりの水準だった。
実質賃金の算出に用いる1月の消費者物価指数(持ち家の帰属家賃を除く総合)は、5.1%上昇。電気代やガス代、食品などの高騰が続く一方、名目賃金は労働者1人当たり平均で27万6857円と、0.8%の増加にとどまった。
名目賃金の内訳を見ると、基本給が中心の「所定内給与」が0.8%増、残業代を含む「所定外給与」が1.1%増。賞与など「特別に支払われた給与」は1.7%減った。
就業形態別では、正社員ら一般労働者が1.3%増の36万510円、パートタイム労働者は0.8%増の9万8144円だった。
1人平均の総実労働時間は、1.4%減の127.7時間だった。