柿木丸紅社長、経験者採用拡大に意欲=新卒は縮小、希望重視―インタビュー
丸紅の柿木真澄社長はインタビューに応じ、「社会経験を持った人は喉から手が出るほどほしい」と述べ、学校卒業後数年を経た社会人経験者採用の拡大に意欲を示した。新卒採用は縮小した上で、「やりたい仕事が明確な人を増やしたい」と、配属などで本人の希望をなるべく重視したい考え。
柿木氏は「卒業後3、4年働いて要領を覚え、別のことがしたいと思う人が増えている」と指摘。「他流試合をやって失敗を経験した人ほど価値がある」として、30歳前後の「第2新卒」らを積極的に採用する考えを示した。
新卒については、総合商社の場合、必ずしも希望通りの部署に配属されないことが「辞めるきっかけにもなる」。柿木氏は「(役割に応じた報酬で処遇する)ジョブ型のような働き方で応募してもらいたい」と構想を語った。
一方、洋上風力発電について柿木氏は「(入札への)参加を増やしたい」と強調。2022年末に始まった秋田県沖などを含め、今後複数の海域で公募が実施される見通しだが、「経験と人材がある。貢献できる」と案件獲得に自信を見せた。丸紅は22年12月22日、秋田県の能代港で、大規模洋上風力の国内初となる商業運転を開始した。
柿木氏は「日本で再生可能エネルギーを一定規模でやるとしたら、洋上風力しかない」と主張。「高い技術や(荒天時を考慮した)段取りの能力が要求される。あとは値段の勝負」と述べた。
また、柿木氏は「卸売業である商社が不要とならないよう、自ら消費者に近づかざるを得ない」とも指摘。特に近年注力するeスポーツについて、「物販もあるし、広告もある。アバターのファッションなど、若年層をターゲットにしたさまざまなビジネスの可能性がある」と、今後の展開に期待を示した。