上々の立ち上がり LTV最大化をめざす、グリーンビーンズの戦略とは
イオン(千葉県/吉田昭夫社長)傘下のイオンネクスト(千葉県/バラット・ルパーニ社長)が運営するオンラインマーケット「Green Beans(グリーンビーンズ)」が本格始動してから約7カ月が経過した。巨額の投資による新ネットスーパーの展開は大きな話題となり、その成否に業界中の注目が集まっている。GreenBeansはどのようなアプローチで事業を成功に導こうとしているのだろうか。
登録会員数は早くも10万人超!
イオンネクストは2023年7月、新たなオンラインマーケット「Green Beans」を本格的に稼働した。最先端のAI(人工知能)やロボティクス技術を導入した顧客フルフィルメントセンター(CFC)「誉田CFC」を物流拠点とする、いわゆるセンター出荷型のサービスだ。
Green Beansの配送は子会社のイオンネクストデリバリー(千葉県/野澤知広社長)が担っており、ユーザーは朝7時から夜23時まで1時間単位で配達時間帯を指定できる。配送料は配達枠によって変動し、330円、440円、550円(税込)のいずれかで設定される。
稼働開始から半年超が経過し、サービス提供エリアは東京都11区、千葉県8市、神奈川県1市に拡大。サービス開始後、会員数は順調に増えており、登録会員数は半年も経たずに早くも10万人を超えている。
Green Beansが特徴的なのは、「まとめ買い」の買物スタイルを提案している点だ。生鮮食品、冷凍食品、日配品、加工食品のほか、ベビー用品、ペット用品、HBC(ヘルス&ビューティケア)など非食品を含む幅広いカテゴリーで合計3万品目以上を揃え、ワンストップで生活必需品を買い揃えられる環境を提供している。
温度管理を徹底したコールドチェーンや高効率なセンターオペレーションなど、ネット“専用”スーパーの強みを生かしている点も特徴のひとつ。その強みの核となっているのが「鮮度」だ。「商品を自分で目利きして選べない」「品質や鮮度が不安」といったネットスーパーで生鮮食品を購入する際のペインポイントを解消するため、Green Beansでは、配送日から1週間、鮮度の維持を保証する「鮮度+(プラス)」の仕組みを農産物で導入している。購入したお客には、鮮度のよさが実感されており、「Green Beansは鮮度がよい」というブランドイメージが徐々に定着しつつあるという。
価格訴求、品揃え商品の独自性も追求
ネットスーパーでは難しいとされるお得感の打ち出しに
「急拡大」後のネットスーパー の新着記事
-
2024/02/12
自前ダークストアから配送プラットフォーマーに転換したONIGOのさらなる拡大戦略とは -
2024/02/12
センター出荷型への移行スタートのイトーヨーカドーネットスーパー 大きな効果と課題とは -
2024/02/10
1年の間に35店でサービス開始!マルエツ、ネットスーパー売上伸長の理由とは? -
2024/02/10
エリア順次拡大中! アマゾン責任者が「ネットスーパーには可能性しかない」と考える理由 -
2024/02/10
楽天から離れ、西友のネットスーパー事業は単独の店舗出荷型へ その戦略とは -
2024/02/09
昨比40%増で売上200億円規模に拡大、収益改善も進む ライフのネットスーパー最新戦略とは
この特集の一覧はこちら [11記事]
イオン・グループの記事ランキング
- 2019-04-22イオンと資本業務提携したフジが トップバリュと距離を置く理由
- 2023-04-26スーパーマーケットの次世代顧客は「ヤングファミリー」か、「MZ世代」か
- 2021-02-22イオン、クスリのアオキHDの株式9.98%を取得、ダイエーの退職給付信託から
- 2024-11-01セブン&アイ、イオンの24年度上期決算と今後の戦略全まとめ
- 2021-03-26カスミ、イオン、マルエツらが進めるSMのレジレスは将来の選択肢か、歴史の必然か
- 2023-04-20イオン、22年度決算を発表!GMS事業が黒字化も残された課題とは
- 2023-08-04どうなる「ツルハ」と「クスリのアオキ」 イオンの出資先で問われるガバナンスと再編の予兆
- 2024-07-11「グリーンビーンズ」1年で会員数21万人突破 配送エリアさらに拡大へ
- 2019-12-18#9 イオンという「外資」が、3極寡占化を促した
- 2020-01-1023年ぶりの社長交代! イオン電撃人事の裏側
関連記事ランキング
- 2019-04-22イオンと資本業務提携したフジが トップバリュと距離を置く理由
- 2023-04-26スーパーマーケットの次世代顧客は「ヤングファミリー」か、「MZ世代」か
- 2021-02-22イオン、クスリのアオキHDの株式9.98%を取得、ダイエーの退職給付信託から
- 2024-11-01セブン&アイ、イオンの24年度上期決算と今後の戦略全まとめ
- 2024-02-10楽天から離れ、西友のネットスーパー事業は単独の店舗出荷型へ その戦略とは
- 2021-03-26カスミ、イオン、マルエツらが進めるSMのレジレスは将来の選択肢か、歴史の必然か
- 2023-04-20イオン、22年度決算を発表!GMS事業が黒字化も残された課題とは
- 2023-08-04どうなる「ツルハ」と「クスリのアオキ」 イオンの出資先で問われるガバナンスと再編の予兆
- 2024-07-11「グリーンビーンズ」1年で会員数21万人突破 配送エリアさらに拡大へ
- 2019-12-18#9 イオンという「外資」が、3極寡占化を促した