「デジタル化と小売業の未来」#2 買物プロセスの変化への対応は必須!消費者にとって買物はますます面倒に

望月 智之 (株式会社いつも 取締役副社長)
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ECなどのデジタル化が小売業に与える影響やその対応策などを紹介し、これからめざすべき小売業の姿を提示する連載「デジタル化と小売業の未来」。1では、日本の小売におけるデジタルの重要性について触れました。第2回では、デジタル化に伴う消費者の買物プロセスの変化について解説します。ECで日本の先を行く米国・中国の事例も参考にしつつ、具体的な戦い方を見ていきましょう。

ipopba / iStocK
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買物プロセスの80%は不要

 私が201911月に出版した書籍『2025年、人は「買い物」をしなくなる』において中心的なテーマとなっているのが、買物プロセスの変化の気付きです。

これまでの買物プロセス(筆者作成)
これまでの買物プロセス(筆者作成)

 買物のステップを挙げてみると、実に買物プロセスの80%は「不便」で、今後不要になってくるものばかりです。たとえば、レジに並ぶことや決済などはすでにいらなくなりつつあります。

 このように、デジタルの技術進化やECでの購買体験によって、買物プロセスが減っていき、ふだんの生活でも買物が面倒に感じるようになっています。たとえば、ちょっとしたものを買いたいだけなのに、わざわざレジに並ぶということが面倒だと感じるようになるのです。

 現在のキャッシュレスの流れも、現金の支払いを面倒に感じさせ、量販店のような広い店舗内で商品を探すことも、ECでは検索で絞り込むことができるため、どんどん面倒に感じるようになっています。

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記事執筆者

望月 智之 / 株式会社いつも 取締役副社長
1977年生まれ。株式会社いつも 取締役副社長。東証1部の経営コンサルティング会社を経て、株式会社いつもを共同創業。同社はD2C・ECコンサルティング会社として、数多くのメーカー企業にデジタルマーケティング支援を提供している。自らはデジタル先進国である米国・中国を定期的に訪れ、最前線の情報を収集。デジタル消費トレンドの専門家として、消費財・ファッション・食品・化粧品のライフスタイル領域を中心に、デジタルシフトやEコマース戦略などのコンサルティングを手掛ける。ニッポン放送でナビゲーターをつとめる「望月智之 イノベーターズ・クロス」他、「J-WAVE」「東洋経済オンライン」等メディアへの出演・寄稿やセミナー登壇など多数。

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