個人の魅力で商品を売り出す! 2023年のEC最新トレンド「P2C」とは
誇大広告の終焉と2023年以降に求められるモノづくり
ライブコマースが流行り始めているのもP2Cと同じ理由です。静止画によって消費者のモチベーションを上げるには、すでに限界値が見えています。昔は、売れるキャッチコピーやサムネイルを作成できる「売り文句が上手い人」が重視されていましたが、こうした能力の重要性はだいぶ薄れてきました。結局どのような商品でも、言葉次第でなんとでも表現できてしまうため、消費者も「これは嘘だろう」と疑い始めているのです。
このような、いわば「広告臭」はどんどんメッキが剥がされており、「盛った画像がよい」という「インスタ映え」の考えも大きく変化しています。ゴテゴテに飾り立てた「嘘っぽい感じ」はすぐに嫌われてしまうため、むしろ盛らないことを意識する人が増えました。動画では画像より盛ることが難しいので、自然とよい塩梅に調整されるようになります。従来のようなセールスのためのコピーである「〇〇が売れる」「変わる」「痩せる」といったものも、すぐに疑問の目で見られてしまうため、今後はよりクリーンで誠実な伝え方が求められるようになるでしょう。
このような世界観では、やはり商品そのものの魅力が重要で、これまで大手が量産してきたような単一化された商品だけでなく、地方にある面白いモノ作りを続けているブランドにも、伝える力次第で光が当たるようになります。2023年は、そういった中小ブランドの魅力が適正な価格で届くような「場づくり」も重要になるでしょう。
デジタル化と小売業の未来 の新着記事
-
2024/06/18
物流「2024年問題」に対応!物流拠点分散化のメリットと可能性 -
2024/05/13
中小企業でもECの翌日配送を実現できる『物流拠点の分散化』とは -
2024/04/02
配送料も続々値上げ…迫る「物流の2024年問題」が小売業界に与える影響 -
2024/01/29
カギはコンテンツの「再利用」 “売れ続ける”状態をつくる新たなマーケ手法とは -
2023/12/13
ニトリの成功にみる オウンドメディアに求められるコンテンツとは -
2023/10/26
「トリプルメディア」の近未来 オウンドメディア活用の重要性と役割
この連載の一覧はこちら [39記事]
関連記事ランキング
- 2022-11-24ヤフーやメルカリが撤退するも、日本に到来する「ライブコマース2.0」の兆し
- 2021-10-08「デジタル化と小売業の未来」#12 ユニクロのEC化率が伸びない意外な理由
- 2022-02-14「デジタル化と小売業の未来」#17 小売とメーカーの境目がなくなる?10年後の小売業界未来予測
- 2022-10-06実店舗にも必須! AmazonやInstagramに学ぶ「発見型」の購買体験