個人の魅力で商品を売り出す! 2023年のEC最新トレンド「P2C」とは

望月 智之 (株式会社いつも 取締役副社長)
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誇大広告の終焉と2023年以降に求められるモノづくり

 ライブコマースが流行り始めているのもP2Cと同じ理由です。静止画によって消費者のモチベーションを上げるには、すでに限界値が見えています。昔は、売れるキャッチコピーやサムネイルを作成できる「売り文句が上手い人」が重視されていましたが、こうした能力の重要性はだいぶ薄れてきました。結局どのような商品でも、言葉次第でなんとでも表現できてしまうため、消費者も「これは嘘だろう」と疑い始めているのです。

 このような、いわば「広告臭」はどんどんメッキが剥がされており、「盛った画像がよい」という「インスタ映え」の考えも大きく変化しています。ゴテゴテに飾り立てた「嘘っぽい感じ」はすぐに嫌われてしまうため、むしろ盛らないことを意識する人が増えました。動画では画像より盛ることが難しいので、自然とよい塩梅に調整されるようになります。従来のようなセールスのためのコピーである「〇〇が売れる」「変わる」「痩せる」といったものも、すぐに疑問の目で見られてしまうため、今後はよりクリーンで誠実な伝え方が求められるようになるでしょう。

 このような世界観では、やはり商品そのものの魅力が重要で、これまで大手が量産してきたような単一化された商品だけでなく、地方にある面白いモノ作りを続けているブランドにも、伝える力次第で光が当たるようになります。2023年は、そういった中小ブランドの魅力が適正な価格で届くような「場づくり」も重要になるでしょう。

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記事執筆者

望月 智之 / 株式会社いつも 取締役副社長
1977年生まれ。株式会社いつも 取締役副社長。東証1部の経営コンサルティング会社を経て、株式会社いつもを共同創業。同社はD2C・ECコンサルティング会社として、数多くのメーカー企業にデジタルマーケティング支援を提供している。自らはデジタル先進国である米国・中国を定期的に訪れ、最前線の情報を収集。デジタル消費トレンドの専門家として、消費財・ファッション・食品・化粧品のライフスタイル領域を中心に、デジタルシフトやEコマース戦略などのコンサルティングを手掛ける。ニッポン放送でナビゲーターをつとめる「望月智之 イノベーターズ・クロス」他、「J-WAVE」「東洋経済オンライン」等メディアへの出演・寄稿やセミナー登壇など多数。

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