打倒アマゾンがいよいよ現実に!?コープさっぽろ大見理事長が語る「次の一手」
コロナ禍による食ECのニーズ拡大を受け、ネットスーパーと並んで生活協同組合(生協)の宅配が脚光を浴びている。数ある地域生協の中でも、その物流網の強固さからとくに注目されているのが、北海道全域で宅配事業を展開する生活協同組合コープさっぽろ(大見英明理事長:以下、コープさっぽろ)。“最強宅配”との呼び声高いコープさっぽろは、急激な需要増にどう対応しているのか。大見理事長に聞いた。
毎週1000人規模で新規組合員が増加!
──コロナ禍においてコープさっぽろの宅配事業の供給高(売上高に相当)はどのように推移していますか。
大見 2020年2月28日に北海道で緊急事態宣言が発出されて以降、宅配事業の供給高は増加し続け、5月1週のピーク時には、利用者数が対前年同期比20%超増、供給高は同40%増となりました。6月以降も、利用者数が同10%増、買い上げ点数が同10%増のペースで推移しており、供給高は同20%超増を維持しています。
──コロナ禍で組合員の利用動向に変化はみられますか。
大見 30代から40代までの若い世代を中心に、コープさっぽろの宅配システム「トドック」を利用する新規組合員が毎週1000人規模で増え続けています。「トドック」を利用した組合員の多くが、利便性の高さや生鮮食品の鮮度の高さを実感し、「トドック」を継続的に利用しています。新型コロナウイルス感染予防策として外出を控える傾向が強まっていることから、70代以上の組合員でも「トドック」の利用率が高まっています。
──「トドック」の受注点数の増加にどのように対応していますか。
大見 「 トドック」の受注点数はピーク時に週500万件を超え、そのうち、低温度帯の商品を扱うものは320万点に達しました。商品のピッキング(集荷・仕分け)は通常、週5日で稼働していますが、一部の組合員の配達日を1日遅らせて週6日稼働することで対応しました。コロナ禍でも商品の在庫数量は適正に確保し、メーカー欠品を除いて在庫切れは発生していません。今後も受注点数の増加が見込まれることから、約3億円を投じ、11月中旬に江別物流センター(北海道江別市)で低温度帯の商品をピッキングするラインを増設します。これにより、週あたり最大360万点の低温度帯の受注に対応し、宅配事業で年間1000億円規模以上の受注キャパシティを確保できます。
アマゾン対抗策は品揃えの拡充
──コープさっぽろでは、
小売ビジネス新局面!食のECシフト の新着記事
-
2020/09/30
アマゾン・フレッシュついにオープン!アマゾンが「リアルシフト」する理由とは -
2020/09/30
顧客満足度はアマゾン以上!意外に知らない、急進するコストコECの秘密 -
2020/09/30
一気に進んだ欧州小売のECシフト総まとめ アルディ、リドルも動く! -
2020/09/29
「ネットスーパーが不要なスーパーの特徴と代わりにすべきこと」ローランド・ベルガー福田稔氏 -
2020/09/29
米国で急拡大する食のEC市場 業績の明暗分ける2つの存在 -
2020/09/29
消費者調査で判明、食のECシフトは一過性か!? 8割超の消費者が「〇〇」と回答
この特集の一覧はこちら [15記事]
関連記事ランキング
- 2024-12-13オーケー2号店の全容と至近競合するライフ、イズミヤ旗艦店の戦術は?
- 2024-12-06今週のスーパーマーケットニュース U.S.M.H、いなげやを完全子会社により経営統合
- 2024-11-15週刊スーパーマーケットニュース アオキスーパー、「レジ専用イス」を全店に設置が完了
- 2020-02-20#11 コープさっぽろ救済を通じ「日本の生協の危機」を回避した日本生協連の賭け
- 2024-10-25物言う株主時代に脚光!宅配以外もスゴい「生協」の事業モデルとは
- 2024-12-13週刊スーパーマーケットニュース イトーヨーカ堂、ONIGOと新デリバリーサービスを開始
- 2024-04-16書籍のブームから20年……日本生協連に移籍した「生協の白石さん」の今
- 2024-10-28売上6000億円超のコープデリ連合会、宅配利益率4%も危機感の理由
- 2024-11-11週刊スーパーマーケットニュース コープみらい、「コープ坂戸薬師町店」をオープン!
- 2024-06-26週刊スーパーマーケットニュース 日本生協連、23年度の地域生協の事業概況を発表
関連キーワードの記事を探す
オーケー2号店の全容と至近競合するライフ、イズミヤ旗艦店の戦術は?
物言う株主時代に脚光!宅配以外もスゴい「生協」の事業モデルとは
入山章栄教授が「生協はこれからの時代に合ったビジネスモデル」と考える理由