ベイシア、新業態1号店で本格フレンチコース提案の衝撃

大宮 弓絵 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
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ベイシア(群馬県/橋本浩英社長)は3月6日、群馬県北群馬郡吉岡町の食品スーパー「ベイシアフードセンター前橋吉岡店」(以下、前橋吉岡店)を改装し、マルシェのような買物空間をコンセプトに掲げる新業態の1号店としてオープンした。他社との差別化をめざし、本格フレンチのコースメニューを低価格で販売するという試みに挑戦している。

前橋吉岡店は、カインズに併設するベイシアの食品スーパーのなかで売上トップクラスの重要な店舗。さらに競争力を高めるべく新業態の店へとリニューアルした
前橋吉岡店は、カインズに併設するベイシアの食品スーパーのなかで売上トップクラスの重要な店舗。さらに競争力を高めるべく新業態の店へとリニューアルした

ストアコンセプトは
マルシェ+ベイシア=「マルシア

 リニューアルオープンした前橋吉岡店は、JR上越線「群馬総社」駅から北西約1.3kmに立地。同じグループのホームセンターであるカインズ(埼玉県/高家正行社長)に併設した店舗で、同タイプの店のなかでも売上トップクラスの店舗である。

 しかし今年1月には、店舗から南約400mにディスカウントストア「ドン・キホーテ群馬吉岡店」がオープンするなど店舗周辺の競争は年々激化しており、競争力向上を図るべく新業態としてリニューアルオープンするに至った。
 ベイシアの新業態は、ストアコンセプトに「マルシア」の名を掲げている。これは、市場を意味する「マルシェ」と企業名の「ベイシア」を掛け合わせた言葉で、①新鮮で安全・安心な食材、➁賑わい、楽しさなどのエンターテインメント性、③友達や知人、家族と一緒にくつろぐ場所の3つを提供することに力を注いでいるという。
新業態では、ストアコンセプトに「マルシア」を掲げる。「マルシェ」と「ベイシア」の造語で、市場のような賑わいある空間をめざしている
新業態では、ストアコンセプトに「マルシア」を掲げる。「マルシェ」と「ベイシア」の造語で、市場のような賑わいある空間をめざしている

彩り豊かな空間 高い鮮度を提供

 では、実際にどのような店づくりを行っているのか。写真とともに紹介していこう。

 ベイシアは19年に創業60周年を迎えたのを機に、新しい店づくりを開始。出入口すぐの場所に、青果売場、総菜売場、ベーカリー&カフェ「Hana Cafe」を集中配置した売場づくりを進めており、前橋吉岡店ではこれをさらに進化させている。

 青果売場では、マルシェのような空間構築をめざした。改装を機に市場にバイヤーを配置し、商品を直送することで従来より高い鮮度を実現。陳列においてはカラーコントロールを意識した商品配置で彩り豊かな売場を追求している。さらに売場に使用するサインボードにも新しいデザインを採用した。

壁面の冷ケースでは、カラーコントロールを意識して商品を陳列。売場のサインボードは新しいデザインで統一している
青果売場では、カラーコントロールを意識して商品を陳列。売場のサインボードは新しいデザインで統一している
カットフルーツを販売する冷ケースには、透明のプラスチック製の装飾を敷き詰め、氷で冷やして販売しているような演出を行う
カットフルーツを販売する冷ケースには、透明のプラスチック製の装飾を敷き詰め、氷で冷やして販売しているように見せる演出を行う

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記事執筆者

大宮 弓絵 / ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長

1986年生まれ。福井県芦原温泉出身。同志社女子大学卒業後、東海地方のケーブルテレビ局でキャスターとして勤務。その後、『ダイヤモンド・チェーンストア』の編集記者に転身。

最近の担当特集は、コンビニ、生協・食品EC、物流など。ウェビナーや業界イベントの司会、コーディネーターも務める。2022年より食品小売業界の優れたサステナビリティ施策を表彰する「サステナブル・リテイリング表彰」を立ち上げるなど、情報を通じて業界の活性化に貢献することをめざす。グロービス経営大学院 経営学修士

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