チャネル生産性高めた欧米のECR活動に学べ!日本がいますべきこととは
欧米の製・販連携活動P&Gとウォルマートの改革
前回までの連載で、①日本の第一世代チャネルが競争力を強化するには、製・配・販が連携して全体最適を実現する必要があること、②そのためには、取引ルールの整備が必須であること、などを概観してきた。
では、全体最適を実現する流通構造とはどのようなものなのだろうか。
連載第4回となる本稿では、欧米やアジアで発展したECR(Efficient Con-sumer Response:効率的消費者対応)活動を参考にしながら、効率的な流通チャネルの基本モデルを提示する。
1970年代まで米国では、食品を中心としたスーパーマーケット(SM)業界と、消費財や住関連品を中心としたディスカウントストア(DS)やドラッグストア業界がともに、現在の日本と同様にサプライヤーと小売業者が分断され、相互不達に基づく非効率的な取引が常態化していた。
80年代に入り、まず消費財流通の分野で、P&Gとウォルマートが実験を繰り返しながら、効率的な取引のかたちを構築していった。
具体的には、小売の独占所有物であった単品売上情報を、リアルタイムでP&Gに提供するとともに、ウォルマートの物流センターへの補充業務をP&Gに全面移管したのである。またP&Gも、これまでの場当たり的な販促・取引条件を廃止し、より一貫性と透明性のある価格体系(メニュープライシング)を構築した。80年代半ばから後半にかけて、これらの試行錯誤を重ねながら、次第に流通構造の完成度を高めていったのである。この構造については、本稿後半で詳述する。
チャネル生産性を高めるECRがめざした革新
一方、食品流通の分野では、90年代に入るまで、
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