コスモス薬品、高成長の終焉!? 店舗飽和で九州既存店マイナス基調

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 コスモス薬品(福岡県福岡市、宇野正晃社長)の2015年5月期決算は、売上高4084億6600万円(前期比109.9%)、営業利益170億8000万円(同102.2%)、経常利益190億2800万円(同104.6%)と増収増益を確保し、売上高は初めて4000億円を突破した。売上高は24期連続増収であり、利益でも過去最高益を更新した。

 数値上は現在でも順調なコスモス薬品。16年5月期も引き続き増収増益を見込むが、その中身を見ると、破竹の勢いで業績拡大を続けてきたこれまでとは少し様子が違うことがわかる。

 前期15年5月期は、14年4月の消費税増税後の買い控え影響が続く中で、主力の九州エリアを中心に西日本各地で冷夏や台風上陸が相次ぎ、厳しい営業を余儀なくされた。

 とくに自社競合を厭わずドミナント出店を続けるコスモス薬品では、通期で九州に48店舗、中国に16店舗、四国に9店舗、関西に11店舗、合計84店舗を出店した。実に新規出店の6割が地盤の九州エリアでの出店であり、同エリアでの店舗数はすでに443店舗となっている。「九州ではどこに出しても自社競合する」(柴田 太取締役経営企画部長)状況を裏づけるように、前期のエリア別既存店売上高は、関西110.0%、中国103.0%、四国102.1%に対し、九州では98.2%とマイナスとなっている。

 コスモス薬品では、今期16年5月期は上半期で九州に25店舗、九州外に15店舗を出店するが、下半期からは九州10店舗、九州外40店舗を出店する予定で、今後は地盤・九州での新規出店ペースを下げる方針だ。また、既存店売上高は全体で98.2%を予測する。公表されていないが、九州エリアでの既存店売上高は95%前後を予測している模様だ。

 今期は新たに岐阜、三重など中京エリアにも進出し、今後の同社成長を占う大きな山場の年となりそうだ。

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