赤ちゃん本舗が力を入れる「月齢マーケティング」とは何か
セブン&アイ・ホールディングス(東京都/井阪隆一社長:以下、セブン&アイ)グループで、ベビー用品専門店を展開する赤ちゃん本舗(大阪府)。1932年の創業から90周年を迎えた同社だが、かねて続く出生数減少はコロナ禍によって加速し、事業環境は厳しさを増している。強い逆風下で赤ちゃん本舗ではどのような成長戦略を描こうとしているのか。代表取締役社長の味志謙司氏に語ってもらった。
コロナ禍が業績直撃も足元では回復傾向
──昨今のベビー用品市場を取り巻く環境についての認識を教えてください。
味志 当社はベビー用品の専門店ですので、出生数が販売に大きく影響します。21年の出生数は約84万人と、過去最少を6年連続で更新するなど、出生数の減少度合は加速しています。出産適齢期にある女性の人口数、婚姻数も残念ながら減少しているため、今後、出生数が上がっていくことはないと考えています。
「6ポケット※」という言葉があるように、少子化により赤ちゃん一人ひとりに対する支出が増えているという面もありますが、コロナ禍では祖父母に孫をみせたり、帰省したりする機会が減っており、短期的にはそうしたニーズも減少傾向にあります。
※編集部註:シックスポケット。子供1人に対して両親・両祖父母の計6人の財布から経済的な支援が受けられる現象
──そうした中、直近の業績動向はいかがでしょうか。
味志 2020年2月期までの5年間は売上高950億~1000億円、営業利益30億円前後で推移していましたが、当社はショッピングセンター(SC)をはじめとした商業施設の店舗が多いということもあって、コロナ禍に伴う外出抑制の影響を大きく受け、21年2月期は売上高が750億円ほどまで落ち込み、営業利益についてもわずかな黒字という状態となりました。
22年2月期は外出控えが一段落し、売上高は800億円ほどまで回復、営業利益も増益を果たしています。SCの客足も戻りつつあるので、今期も引き続き、業績は回復していく見通しです。
売上高構成比30%めざし、PB開発を強化中!
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