フレキシタリアン、ギルトフリー、デジタル活用…… 見逃せない食の10大トレンドとは!?
食の細分化がものすごいスピードで進む!
6EATING FOR MEは「テクノロジーや科学の進歩が、次から次へと新たな食や健康の選択肢を与えることになり、食のトレンドはますます個別化する」。これまでのように大きなトレンドばかりを追っていると、消費者の嗜好を見落とすことになる。
7A FRESH LOOK AT FIBERは「食物繊維に関する新たな健康効果の発見や、斬新な商品のラインアップが消費者の食物繊維需要を刺激し、“ファイバーブーム”が再来する」。いま、食物繊維の新たな効能が注目を集めている。脳の認知機能の回復、アスリートの運動能力の向上に役立つといった効果が認められてきており、エナジーバーやプロテインを組み合わせて、これまでの女性向け市場から、新たなマーケットへと広がり始めている。「この動きは日本にも必ず入ってくる」(田中氏)。
8 I FEEL GOODは「感情やメンタルを含めたトータルでの健康が大切。ギルトフリー食品(罪悪感を感じない食品)の増加。リラックスや頭の活性化をサポートする栄養成分へ関心が集まる」。商品に栄養面での機能性を入れられるのがベストだが、商品パッケージに「JOY」「HAPPY」などポジティブになれるキーワードを入れるだけでも、消費者の関心を集めることができる。
9 SMALL PLAYER MINDSETは「スタートアップ企業が食品業界のイノベーションを牽引。大企業もそれに着目し、ベンチャーへ積極的に投資を進める」ということだが、日本ではこれまで遅れをとっていた分野だ。
10 CONNECTED TO PLATEは「デジタル技術の進歩が、消費者と食を未だかつてないほどつなげ、製造工程やバリューチェーンの透明性を高めている」。食がオンライン化し、食の国境がなくなり、世界中にあっという間に拡散する。ブロックチェーンで食のトレーサビリティを管理することも容易になっている。
この10のトレンドは、いずれも大きな流れであるが、すべてに同じように対応していくことは難しい。日本の小売業は何から始めればいいのだろうか。
田中氏は次のようにアドバイスする。
「まず、食の細分化、個別化がものすごいスピードで進んでいることに気づくこと。代替食品、スナックの再定義、新市場向けファイバー、ポジティブなメッセージの発信など、どれから始めるか、どの波にのっていくかは、個々の企業で考えていくこと」
また、日本のメーカーの中には、まだ日本の言葉に訳されていないようなフレッシュなトレンドワードに着目し、トレンドを見越して商品の開発を進めているところもあるという。そういうメーカーといっしょになって取り組むというのも、ひとつの考え方だ。