全85アカウントでスタッフが顧客と「1対1」でつながる 三越伊勢丹のSNS活用戦略とは
リアルとECのシナジーを追求するOMO
もう一つの特徴は、三越伊勢丹のリアル店舗とECのシナジーを追求するOMO(オンラインとオフラインの融合)が挙げられる。田代氏は、「スナップで見つけた商品をリアル店舗で試着してみるといった、お客さまのニーズに応じた利用ができます」と説明する。
スナップ閲覧後、同社のオンライン用接客アプリ「三越伊勢丹リモートショッピングアプリ」のオンライン接客機能を通じて、スナップのコーディネート提案で気になった商品について、相談したりすることも可能だ。
リアル店舗では、顧客一人ひとりに合わせた①カラー診断、②骨格診断、③マッチパレット(3次元計測で可視化した体型データをもとに、最適な洋服サイズをコンサルティングする接客)というサービスを実施しているが、そうしたサービスでの登録情報をもとに、ネット上でも個別のスタイリング相談に応じてもらえるという。
21年8月末現在、約220人のスタッフがスナップを活用、コーディネート提案の画像を投稿している。ファッションでは、スタッフ自身がモデルになるケースも多い。スナップは、SNSの個人アカウントとつなぐこともできるので、顧客が贔屓にしているスタイリストについては、「お気に入り機能を使って、“推しスタッフ”を決めていただくシステムも予定しています」(同)。
スタッフは、コーディネート提案した商品の売れ行きを、アプリを通じて逐一チェックできる。そのため、さまざまなコーディネートを試しながら、売れる成功モデルを見出しやすいという。「スナップは、自分のスタイリングが売上に直結していることが実感しやすいと、スタッフにも好評です」(同)。