[4日 ロイター] – 米アップルとアルファベット傘下のグーグルは4日、両社が共同開発する新型コロナウイルスの感染追跡アプリについて、位置情報の利用を禁止すると表明した。
アップルとグーグルは4月に新型コロナ感染追跡アプリを共同開発すると発表した。アプリは、携帯端末に内蔵された近距離無線通信機能の「ブルートゥース」を活用し、ウイルス検査で陽性結果が出た感染者の近くにいる人に通知する。この技術は、公衆衛生当局のみが使用できる。
両社は、プライバシーの保護、アプリを政府の住民データ収集に使わせないことが最重要の目標としている。
しかし、米国の一部州の新型コロナ関連公式アプリの開発にあたっている業者は前月、感染の動向追跡や、ホットスポット(感染者が集中する場所)の特定には、新たな追跡システムと併せてGPS(全地球測位システム)データを使用できることが必須とロイターに語っていた。
アップルやグーグルの端末のGPSデータを利用できないとなると、公衆衛生当局は、他の方法で得るしかない。ただiPhoneやアンドロイド端末では、ユーザーが忘れずに再接続させないと、バッテリーの節約などのためにブルートゥースの接続は一定時間経過すると解除されるため、感染者の接近を見逃すケースも起こり得る。
公式アプリの開発業者は独自のアプローチを堅持する方針という。
ユタ州向けにGPSとブルートゥースを併用する公式アプリを開発したトゥウェンティは、アップル・グーグルの新たなツールなしで効果的に稼働すると述べた。
カナダのアルバータ州は、GPSデータを収集しておらず、同州の公式アプリ向けにアップル・グーグルの新システムを導入する計画はないとしている。
アップルとグーグルは4日、アプリの乱立回避と広範囲な導入を目的に、利用を認めるアプリは1カ国につき1アプリとすると表明した。ただし、州など地域ごとに対応させる国も支援する方針で、米国の州のアプリ使用は認めるとした。