アングル:企業決算に見る堅調な米個人消費、先行きには慎重論

2019/11/18 13:00
ロイター

ニューヨークのショップの様子
11月15日、米国で堅調な個人消費を示す企業決算が相次いでいる。小売り最大手のウォルマートは通期予想を上方修正した。写真は大手百貨店メーシーズの旗艦店。2018年11月22日、ニューヨークで撮影(2019年 ロイター/Stephanie Keith)

[ニューヨーク 15日 ロイター] – 米国で堅調な個人消費を示す企業決算が相次いでいる。小売り最大手のウォルマートは通期予想を上方修正。一部の大手銀行や住宅メーカーの決算会見でも消費に明るい見方を示す声が出ている。

米中貿易摩擦を受けて景気の先行きを悲観する企業は少なくないが、国内総生産(GDP)の3分の2以上を占める個人消費は総じて底堅いようだ。

商務省が15日発表した10月の小売売上高は前月比0.3%増と、前月の落ち込みから持ち直した。高額商品への支出を切り詰める動きはみられるが、ストラテジストの間では、個人消費が引き続き米経済を下支えするとの見方が多い。

アライ・インベスト(ノースカラロライナ州)のチーフ・インベストメント・ストラテジスト、リンゼー・ベル氏は「雇用は売り手市場だ」と指摘。金利低下を受けて消費が増えており、来年上半期も好調な個人消費が続くとの見通しを示した。

ウォルマートのブレット・ビッグス最高財務責任者(CFO)も、ロイターとのインタビューで、書き入れ時の年末商戦に向け消費支出は堅調だと発言。

住宅建設大手のレナー、クレジットカード大手のマスターカード、高級皮革ブランドのタペストリー(旧コーチ)も、決算会見で個人消費が健全だとの見方を示唆した。

金融大手JPモルガン・チェースのジェニファー・ピープサック最高財務責任者(CFO)は、貿易摩擦を巡る不透明感が投資に悪影響を及ぼしている可能性はあるが、米国の個人消費は「信じがたいほど力強い」と表現。「消費マインドは良好で、個人の信用度も高い」と述べた。

ただ、設備投資が縮小し、多くの企業が先行きに慎重な見方を示していることも事実だ。

ネットワーク機器大手シスコシステムズは13日、売上高と利益が予想を下回ると表明。世界経済を巡る不透明感の高まりが、顧客の支出を抑制する要因になっていると指摘した。

アナリストも、今年第4・四半期と来年の企業利益の予想を下方修正。S&P総合500種指数採用企業の第3・四半期決算も、前年比で小幅な減益になる見通しだ。リフィニティブのIBESデータによると、四半期決算が減益となるのは2016年以来。

リチャード・バーンスタイン・アドバイザーズのリチャード・バーンスタイン最高経営責任者(CEO)は、現時点で個人消費に頼るのは危険だとし「(企業業績が2四半期連続で減益となる)業績リセッションに陥れば、雇用情勢が変わり始める」との見方を示した。

年末商戦が近づくにつれ、個人消費の動向に注目する投資家は増えるとみられる。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ(BAML)のエコノミストは15日付のリポートで、先行きへの懸念は根強いが「全体として、今の消費マインドは秋口より良好だ」との見方を示した。

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