米アルファベット、第4四半期売上高が予想上回る 広告やクラウド好調

ロイター
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グーグルのロゴ
2月2日、 米グーグルの持ち株会社アルファベットが発表した2020年第4・四半期決算は、売上高が2四半期連続で過去最高を記録し、市場予想を上回った。写真はグーグルのロゴ。2020年4月撮影(2021年 ロイター/Dado Ruvic)

[2日 ロイター] – 米グーグルの持ち株会社アルファベットが2日発表した2020年第4・四半期決算は、売上高が2四半期連続で過去最高を記録し、市場予想を上回った。年末商戦期に企業が支出を増やしたことから広告事業とクラウド事業の売上高も予想を上回った。

年初来9.5%上昇しているアルファベットの株価は、2日引け後の時間外取引で6%高の2035.95ドルを付けた。

売上高は568億9800万ドルで前年同期比23%増加した。「ユーチューブ」を含むグーグルの広告事業が売り上げ全体の81%を占めた。

新型コロナウイルスの感染拡大を背景に、2020年に見られた旅行・娯楽セクターの広告支出削減の影響は、オンライン販売に力を入れる小売りセクターなどの新たな支出に支援され、ほぼ相殺された。

リフィニティブがまとめたアナリストの売上高予想は前年比15.31%増の531億2900万ドルだった。

グーグルのクラウド部門「グーグルクラウド」も、新型コロナ流行を背景にしたインターネット需要に支援され、第4・四半期売上高は38億3100万ドルと、アナリスト予想の38億2000万ドルを上回った。年間売上高は130億5900万ドルで、前年比46%増加した。

アルファベットはまた、グーグルクラウドの営業損益を初めて明らかにした。

インターネット広告事業が主力のグーグルにとって、クラウド事業の開示は大きな節目となる。グーグルは長年にわたり、広告事業から得たキャッシュを新たに収益性の高い事業に振り向けることができるのかという疑問に直面してきた。

グーグルクラウドの第4・四半期営業損益は12億4000万ドルの赤字。2020年通年では56億ドルの赤字で、赤字額は前年比21%拡大した。

アルファベットは、新たな評価で同社のサーバーやネットワーク機器の耐用年数が1年以上延びたことを受け、2021年の営業業績が21億ドル押し上げられるとの見通しを示した。

ただ、営業黒字の達成はまだ数年先になりそうだ。

年間売上高の伸び鈍化

アルファベットの手元資金は1370億ドルと2020年に170億ドル増えたが、投資家は増大するコストについて引き続き精査している。

ユーチューブのプログラム編成ライセンスや、データセンターの運営、消費者向け製品の在庫に関連したコストはここ数年に増加。これらのコストは売り上げ1ドルにつき約0.27ドルと、4年前の0.23ドルを上回っている。

アルファベットの年間売上高は数年にわたって持続的に約20%の伸びを示してきたが、2020年は12.8%の伸びにとどまり、2009年(8.5%増)以来の低い伸びとなった。

世界のインターネット広告市場では、アマゾン・ドット・コムが影響力を強めているほか、電子商取引大手アリババ・グループなど中国を主な事業拠点とする企業が新型コロナ流行による影響から早期に回復しており、グーグルのリードは縮小しつつある。

グーグルはまた、オーストラリア、アジア、欧州、北米で、反トラスト法(独占禁止法)違反を巡る調査や制裁に直面している。

アルファベットの第4・四半期利益は43%増の152億ドル(1株当たり22.30ドル)。アナリストの予想平均は108億9500万ドル(同15.95ドル)だった。

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