「デジタル化と小売業の未来」#16 D2Cが進むと卸・小売の従来の商習慣はどう変わる?

望月 智之 (株式会社いつも 取締役副社長)
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前回の記事では、D2C文脈における体験型店舗の必要性について触れました。しかし、今後メーカーによるD2Cが増えると、日本で課題となるのがその独特の商習慣です。企業が体験型の店舗やオンライン販売で直接顧客を持つためには、日本独自の商流の中でどのような対応が必要になるのでしょうか。

日本独自のスキーム構築が重要

 メーカーが直接自社の商品を販売するD2Cという形態が増えているとはいえ、実際に弊社クライアントなど数多くのメーカーと話していると、卸や小売との関係性を壊したくないというご要望が多く寄せられます。しかし、激変する小売市場のなかで変化の必要性を感じている企業もいます。流通の中間をほぼほぼ飛ばしながら直販を進めるのか、逆にそこを活かしながら続けるのかという判断の岐路に立たされている企業も少なくありません。

 弊社がこのようなご相談を受けた場合、実際にそのプレーヤーの間に当社が入るのですが、必要となるスキームは実にトリッキーなものです。D2Cに関するご相談においては、従来の流通の流れをある程度壊すことにもなるため、どうしても日本独自の流通構造を構築したうえで直販を進める必要があります。

 

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記事執筆者

望月 智之 / 株式会社いつも 取締役副社長
1977年生まれ。株式会社いつも 取締役副社長。東証1部の経営コンサルティング会社を経て、株式会社いつもを共同創業。同社はD2C・ECコンサルティング会社として、数多くのメーカー企業にデジタルマーケティング支援を提供している。自らはデジタル先進国である米国・中国を定期的に訪れ、最前線の情報を収集。デジタル消費トレンドの専門家として、消費財・ファッション・食品・化粧品のライフスタイル領域を中心に、デジタルシフトやEコマース戦略などのコンサルティングを手掛ける。ニッポン放送でナビゲーターをつとめる「望月智之 イノベーターズ・クロス」他、「J-WAVE」「東洋経済オンライン」等メディアへの出演・寄稿やセミナー登壇など多数。

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