小型店ながら差別化策が随所に!「ライフ池袋三丁目店」売場レポート

2024/06/12 05:59
榎本 博之(経営コンサルタント事務所 アズライト代表)
Pocket

ライフコーポレーション(大阪府:以下、ライフ)は2024年3月、「池袋」駅の徒歩圏内のタワーマンション1階部分に「ライフ池袋三丁目店」をオープンした。前編では、青果・総菜売場についてレポートした。後編では、精肉、鮮魚、日配などの売場を見ていこう。

コンパクトながらバラエティに富んだ精肉売場

 精肉は素材肉が32尺、加工肉が32尺で、平台がない売場となっている。牛、豚、鶏ともにブランド肉を複数導入しており、品揃えはバラエティに富んでいる。選択肢の多い売場だが、商品のパッケージ容積が大きいため、多段ケースでは商品の全容が確認しにくく、少しわかりにくいと感じるお客もいるかもしれない。とくに牛肉では扱うブランドの多さからグルーピングが機能しておらず、売場での判別が難しかった。

 ケース下段は500~1500円の商品で構成されており、商品が見やすいケース上段高単価をねらう仕掛けが行われているようだ。冷蔵ケースは上段まで精肉商品で埋め尽くされており、関連販売は行われていない。関連販売は、加工肉と鮮魚のケース間に設置された棚で行うだけにとどまっている。

 品揃えは全体的に、味付肉や半加工品のアイテムを充実させている。香川県の名物料理である骨付鳥の半身や有名飲食店監修のから揚げの半加工品のほか、カブリトンテキを略した「カブテキ」といった目新しさを感じる商品も販売。加工肉は生ハムから売場をスタートさせ、おつまみ需要や単価アップを狙った売場配置となっている。

 ハム・ソーセージはライフPBを中心した下段配置で、割安感を訴求し、購入頻度の増大を狙っているなど、部門内でメリハリの利いた商品構成を行っている。また、ひき肉は店内加工の対応で、質を意識しているようだ。周辺店舗ではセンター経由のアウトパック加工が多い中で、来店頻度向上につながるアイテムについては店内加工で差別化を図っているとみられる。

1 2

関連キーワードの記事を探す

© 2024 by Diamond Retail Media

興味のあるジャンルや業態を選択いただければ
DCSオンライントップページにおすすめの記事が表示されます。

ジャンル
業態