島忠と融合!ニトリホームズ宮原店売場づくり徹底解説 ニトリが次にねらうのは家電チェーンか?

阿部 幸治 (ダイヤモンド・チェーンストア編集長)
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似鳥会長「機会があれば、家電の提携・買収も」

家電コーナーではニトリPBの白物家電を軸に売場をつくる
家電コーナーではニトリPBの白物家電を軸に売場をつくる

 家電といえば気になるのが似鳥会長の発言だ。ニトリホームズには家電の専門店がテナントとして入っておらず、館全体としては家電の品揃えに弱みがあるとみているようだった。そこで似鳥会長に家電強化の方向性を尋ねたところ、「基本はテナントを誘致していくが、もし機会があれば異業種との提携や合併なども考えていきたい」と語ったのだ。

 異業種のヤマダホールディングスは家電から始まり、リフォーム、家具へとその守備範囲を広げていったように、ニトリは家具・ホームファッションから始まり、今回の島忠との融合でHC商材、リフォームへとそのラインロビングを広げ、その広げる先には本格的な家電売場があることを示したものだ。その双方のねらいは「住生活総合提案型の専門店」が消費者にとって抜群に利便性が高いからに他ならないだろう。

 すでにニトリは家電商品のPBを展開しているが、これはあくまでも単身者向け。単身者が家具を揃えるときに一緒に新生活に必要な家電を一通り揃えられるという利便性の高さに目をつけたものだ。

ニトリホールディングス似鳥昭雄会長(会見時は報道の撮影用に一時的にマスクを外しただけです)
ニトリホールディングス似鳥昭雄会長(会見時は報道の撮影用に一時的にマスクを外しただけです)

 しかし、似鳥会長は会見で2度までも「住生活総合提案型の専門店」という言葉を使って、ニトリホームズを先鞭にニトリが進んでいく姿を明示した。

 HCも家具も家電も今後大きな成長が見込める市場ではないが、それらをワンストップで取り揃えた店舗や企業体がそのなかで優位性を高めていくことは想像に難くない。今後のニトリの成長戦略から目を離すことはできなそうだ。

 なお、ニトリホームズはまず、1号店で改善を繰り返しながら、既存島忠・ホームズ店舗を順次改装、4~5年後くらいをめどに新規出店していきたい考えだ。

 

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記事執筆者

阿部 幸治 / ダイヤモンド・チェーンストア編集長

マーケティング会社で商品リニューアルプランを担当後、現ダイヤモンド・リテイルメディア入社。2011年よりダイヤモンド・ホームセンター編集長。18年よりダイヤモンド・チェーンストア編集長(現任)。19年よりダイヤモンド・チェーンストアオンライン編集長を兼務。マーケティング、海外情報、業態別の戦略等に精通。座右の銘は「初めて見た小売店は、取材依頼する」。マサチューセッツ州立大学経営管理修士(MBA)。趣味はNBA鑑賞と筋トレ

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