堅調な滑り出しのららぽーと福岡、広域集客の“要”の新規オープンでどう変わる ! ?
三井不動産(東京都/菰田正信 代表取締役社長)は九州初進出となる広域型ショッピングセンター(RSC)、「三井ショッピングパーク ららぽーと福岡」を4月25日に開業したが、食物販と飲食ゾーンを中心に「おおむね想定通り」(同社)の滑り出しで、今後は物販店舗への波及を目指す。また7月31日に子供向け職業体験施設「キッザニア福岡」がオープンしたことから、情報発信を強化し、より広域からの集客にも期待したい考えだ。
陸上トラックを地元中学の部活動に無償提供
ららぽーと福岡は三井不動産が九州電力、西日本鉄道と共同で開発した広域型ショッピングセンター。博多駅や福岡空港からもアクセスが良い旧青果市場跡地の8万6600㎡を再開発した。
屋外を中心に9カ所の広場を設け、フットボール場や貸し農園などを配置。「福岡おもちゃ美術館」など九州初、福岡初進出の店をそろえ、年間施設売上高は400億円を目指している。
ららぽーと福岡の最大の特徴はカスケード(階段のように連なった滝)状に1階から5階屋上まで全てのフロアに合計9つの広場(パーク)を設置したことだ。
「買物をするだけでなく、ゆっくり時間を過ごし、プラスアルファの楽しみ方をしてもらうことで、次の来館のきっかけにしたい」と三井不動産 商業施設本部 商業施設運営部 運営企画グループ主事の石塚勇輝氏は話す。
特に4階屋外の「スポーツパーク」には200m陸上トラックやテニスコート、3×3バスケットボールのコートを設置。人工芝を敷設し館内から直接アクセスできるため、客はピクニック気分で買物を楽しめる。陸上トラックは地元の中学校の部活動に無償で提供している。
1階に広がる約4000㎡の広場とそれを階下に眺める2階の遊歩道で構成する屋外広場の「オーバルパーク」は、くつろげる空間として多くの客でにぎわう。開業直後に中学校の吹奏楽部のコンサートや地元の太鼓団体の公演を開くなど、まずは地元住民の発表の場として利用。今後は法人の利用や地元で盛んなスポーツ関連のイベントにも利用を拡大していく。
日当たりのいい3階屋外の「アグリパーク」には貸し農園施設「シェア畑」とバーベキュー施設を配置したが、貸し農園はすでに多くの利用者がいるという。