クロワッサンに生ハムメロン? 横浜市初出店「ヤオコー横浜磯子店」にみる総菜開発の幅広さ
ヤオコー総菜開発の巧みさ
ヤオコーの総菜売場を見ると、トレンドにあわせたさまざまな新商品開発に果敢に挑戦しつつ、同じ商材を複数の商品で共有したり、味の違いで組み合わせを変えたりするなどの工夫で、品揃えの幅を巧みに広げていることがわかる。前述したように、おにぎりでは単品だけでなく、おにぎりとおかずのセット、うどんとのセットなど同じ商材を使って異なる商品を展開し、「小腹が空いておにぎりだけ食べたい人」「昼食用におかずと一緒に食べたい人」など多様な消費者ニーズに対応している。
既存の商材を活用した新たなメニューの開発も進んでいるようだ。たとえば、生ハムメロンのクロワッサンサンドでは、クロワッサンという定番商材に生ハムメロンを組み合わせている。通常は食パンやコッペパンなどを使うことが多いサンドイッチでクロワッサンを使用したうえで、あまりSMではみられない生ハムメロンを挟むことにより、新しさ・物珍しさを演出している。
お客を飽きさせないという意味で、新商品を継続的に投入することはもちろん重要だ。しかし、これまでにないまったく新しい商品はそう簡単にできるものではない。実際、横浜磯子店での総菜の新商品投入は限定的だった。しかし売場からは、同じ商材を複数のメニューで活用したり、既存のメニューから発想を転換させたりするなど、継続的に品揃えを巧みに広げようとする姿勢が窺える。こうしたヤオコーの総菜開発の手法は、SM各社にとって参考になる部分が大いにあるのではないだろうか。