オーケー2号店VS駅近立地のライフ 2大勢力の激突が生んだ意外な結果とは?
今年1月下旬、オーケー(神奈川県/二宮涼太郎社長)が関西2号店となる「オーケー西宮北口店」(兵庫県西宮市)を阪急電鉄各線「西宮北口」駅の南側にオープンした。同店から徒歩約3分の場所にはライフコーポレーション(大阪府/岩崎高治社長:以下、ライフ)の「ライフ西宮北口店」が位置する。
こうしたなか西宮北口エリアでは、オーケーとライフがそれぞれの強みを発揮しながら共栄する構図が生まれているようだ。生鮮と効率性を追求するオーケーに対し、体験価値や即食対応で応えるライフ。両社の戦略的ポジショニングに迫る。
※調査日:2025年4月4日、22日 ライフは本体価格、オーケーの価格表示はオーケークラブ会員の現金払いでの本体価格表示で、非会員・カード払いの場合は表中の価格に3%相当額を付加した金額となる
精肉よりも青果で集客力を発揮するオーケー
兵庫県西宮市は、大阪市と神戸市の中間に位置し、阪急線やJR線など複数の鉄道網、高速道路が市内を東西に横断する、人口約48万人の住宅都市である。今回調査した阪急電鉄各線「西宮北口」駅の南側は、大型商業施設や高層マンションが集積するエリアだ。

●所在地: 兵庫県西宮市芦原町11-1 ブランズ西宮北口101
●営業時間:8:30~21:30
●売場面積: 882.31㎡
●アクセス: 阪急電鉄各線「西宮北口」駅から徒歩7分
同地区に1月下旬、オーケーが関西2号店となるオーケー西宮北口店を開業した。店舗は、旧「マックスバリュエクスプレス西宮北口店」の退店跡で、主要道路である山手幹線沿いの高層マンション1階部分に出店。売場面積は約266坪で、700坪を超える「オーケー高井田店」(大阪府東大阪市)に比べると約1/3の規模だ。
同店では売れ筋商品やオリジナル商品を軸に、購買頻度の高い商品を効率よく配置。限られた売場面積の中でも密度の高い買物体験を提供し、首都圏で培った小型店運営のノウハウが生かされている。
こうしたコンパクトな店づくりの中で、オーケーは部門ごとの商品政策を明確に打ち出している。とくに青果売場は、価格・鮮度ともに高い水準を実現し、集客の中核を担っているようだ。売場ではキャベツ(1玉193円)、玉ねぎ(1個76円)、じゃがいも(1個83円)などの定番に加え、そらまめ(348円)といった季節商材を展開。価格だけでなく、商品のみずみずしさも際立っていた。
実際の来店客の動きを見ても、青果をメーンとした購買行動が多く見受けられた。オーケーといえば精肉部門の強さで知られるが、西宮北口店においては青果が主力カテゴリーとして存在感を放っていたのは特筆すべき点だろう。
精肉売場では、オーケーの強みである「品質と価格の両立」がしっかりと体現されていた。「和牛黒毛A5ロースステーキ」(100g485円)や「和牛黒毛A5肩肉厚切り」(100g543円)など、グレードの高い精肉を手頃な価格で提供し、高品質を訴求しながらも値ごろ感もしっかり演出されていた。
また、加工食品売場では、高さのある棚を導入して商品を効率的に陳列し、小型店でありながら日常の食卓に必要な商品を網羅している。売場は、カテゴリーごとに整理しており、短時間で目的の商品にたどり着けるようにしていた。限られた売場面積の中で、買物のしやすさと充実した品揃えを両立させているのが同店の特徴の一つといえる。
総菜売場では、アウトパックとインストアの併用によって、価格帯ごとに多様な選択肢を提供しようとする姿勢が垣間見えた。
米飯では、
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