関西在住のベテラン主婦が解説! オーケー進出で関西市場はどう変わったか

解説:主婦っとサーベイ:伯井裕子、主婦っとサーベイ:網島婦貴
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関西の食品スーパー(SM)の競争環境が大きく変化するなか、「オーケー後の関西」は消費者の目にどう映っているのだろうか。

本稿では大阪在住・主婦歴40年のSM調査グループ「主婦っとサーベイ」の2人に、新店や注目店の動向を踏まえ、関西SMの競争の行方について本音で語ってもらった。

オーケーは“タイパ”重視の購買行動にフィット

 オーケー(神奈川県/二宮涼太郎社長)が関西に進出してから約5カ月が経過した。出店のたびに混雑が話題となるなど、その存在感は徐々に増している。筆者自身も何度か足を運ぶなかで、同社の売場構成や商品政策の特徴が見えてきた。

 まず注目したいのは、EDLP(エブリデー・ロープライス)を前提とした価格政策である。チラシ特売や店頭セールを行わず、日常的に一定の価格で商品を提供するため、買物のたびに他店と価格を比較したり、チラシを見てから店を選ぶ必要がない。「今日は○○を買おう」と目的を持って訪れ、必要な商品だけを短時間で購入して帰る。こうしたタイムパフォーマンス重視の購買行動にフィットするつくりになっている。

 売場構成も効率的だ。品目数を絞り、定番商品に集中した棚づくりは、商品を選び慣れていない人にとっても直感的でわかりやすい。筆者の周囲でも「迷わなくて済む」「タイムパフォーマンスが高い」といった声が多く聞かれる。選択肢の豊富さで購買意欲を刺激するほかのSMとは異なり、買物のしやすさを優先した売場づくりがオーケーの特徴といえる。

 他店ではあまり見かけない商品が棚に並ぶのもオーケーならではだ。「ネスレ日本・コントレックス」の1本売り、「日本ハム・ほそびきウインナー なめらか feat.シャウエッセン」などが置いてあり、メーカーとの関係性の強さを実感した。また、バターや生クリーム、クリームチーズなどは珍しい商品も多く、なおかつ商談時使用売価からの値引き率も書かれているのでお得感がある。こうしたラインアップは、「ここでしか買えない」という明確な来店動機を生んでいる。

 精肉売場については、品質に強いこだわりを持つ層からは賛否が分かれるようだが、実際に購入したところ、炒め物や煮込み料理には十分なクオリティだと感じた。筆者の周辺では「日常使いとして割り切るなら、納得感のある価格だ」という声も多い。

 総菜では、関西限定の「デラックスモダン焼き」を試してみた。

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