25年夏の青果販売政策を徹底解説
2024年夏の青果市場は、異常気象による生育不良や供給不足の影響を受け、野菜・果実ともに相場が高騰した。一方で25年夏は、天候が安定すれば商品供給が回復し、相場が落ち着くことが期待される。
しかし、野菜の価格が安値基調となることで売上減少のリスクも考えられるため、積極的な販売戦略が求められる。本稿では、24年の市場動向を振り返りながら、25年の青果売場づくりの具体的な施策を解説する。
市況分析&今夏の方向性
天候が安定すれば夏商品の販売強化を
まずは青果部門の販売傾向をおさらいしよう。野菜は相場が高騰しても、食卓に欠かせないため、消費者の購買量は大きく減少せず、結果として売上は伸びやすい。一方、果実は嗜好品として認識されることが多く、価格が上昇すると購入頻度が大幅に下がり、売上も低迷しやすい。
こうした傾向を踏まえ、まずは24年夏の市場状況を振り返り、その分析をもとに25年の売場づくりの方針を示す。

昨年は春の開花が順調であったものの、6月の天候不順による受粉不足、7月以降の異常気象による生理的落果や生育不足などの影響で夏の果実は大幅な減産となり、相場高となった。
25年は春から夏にかけての天候が安定すれば、昨年販売が低迷したサクランボや桃、梨、早生リンゴなどの相場が落ち着き、売上回復が期待できる。
野菜に関しては、西南暖地から夏の東北や北海道などへの産地の切り替えがうまくいかず、一部商品が相場高となった。加えて8月の異常気象の影響で入荷量が減少。その結果、キャベツなどの葉物、果菜類など主力品目の価格が高騰した。
25年は、天候が安定すれば相場が落ち着くことが見込まれる。安値になった分、売上が減少するため、適切な対策を講じる必要があるだろう。
このように、24年夏は野菜・果実ともに相場高となった。25年の天候が良好で、商品状況が回復した場合、こうした夏野菜や果実の販売を積極的に強化したい。
月別の攻め方
6月
漬物関連の販促を強化
6月はサクランボが最盛期だ。昨年は市場における入荷量が前年から大幅に減少したことに伴って、1kgあたりの単価(キロ単価)が高騰。販売不振に終わっている。そのほか市場でのメロン類、プラム類、ビワ、イチジクなどが不作となった。これらの果実は、今年の供給が安定すれば、売上回復が見込める重要商材となる。
4~8月に流通する宮崎・沖縄産の国産マンゴーが近年人気を集めていることにも注目したい。その店に合った価格帯になるよう、品種・等階級・サイズを見極めたうえで仕入れ、売場を拡大することが肝要だ。
また、
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