鮮魚部門2024年冬の月別儲かるMD提案!年末商戦のポイントは?

解説・文:堀内 幹夫(エバーフレッシュ研究所)
Pocket

秋を迎え、いよいよ年末商戦に向けた戦いが始まることになる。今年はコロナ明け3年目とあって人流も回復する見通しで、昨年の販売傾向を踏まえつつ事前の販売計画をいかに入念に練るかが勝負を決めることになるだろう。本稿では年末商戦を含めた、12月から2月の販売政策についてつぶさに考察していく。

市況分析&今冬の方向性
カニと刺身盛合せは販売計画の見直しを

 まずは2023年の同時期を振り返ってみよう。12月は、カニ類・まぐろ類を中心に相場が下がったことで販促イベントを企画しやすい環境となり、売上が伸長した。クリスマス商戦も好調で、寿司類、ほたて貝柱、ぶりなどが大きく売上を伸ばした。

 一方、年末商戦はカニ類・イクラ・ほたて貝柱・寿司などは好調であったものの、やや厳しい結果となった。また、暖冬の影響で、12月全体を通して鍋物関連のえび類・牡蠣など貝類・ぶり・切り身などの売上も振るわなかった。

ほたて貝柱、スチームほたて、牡蠣の真空包装売場
ほたて貝柱、スチームほたて、牡蠣の真空包装売場

 それを踏まえて今冬のMD(商品政策)の方向性をみていくと、とくに注力したいのは昨年12月に好調だった予約販売やギフト販売だ。なかでも予約販売は、高額商品を中心に売上が大きく伸びた。事前に数量確定ができる予約販売は、ふだんなかなか品揃えできない高級食材や希少商材を販売できる。こうした予約販売ならではのラインアップが消費者に魅力に映ったのかもしれない。今年も早めに訴求力のある企画づくりに挑戦したい。

 今冬は刺身盛合せについても再考したい。昨年の年末商戦における刺身盛合せの主力商品を2980円、サブ商品を 3980円に価格設定した企業は、売上が大幅に伸長した。一方、単価を1980円から1580円に下げるといった販売政策で臨んだ企業・店舗は、売上を大きく伸ばすことができなかった。商品設計をする際に、

続きを読むには…

この記事はDCSオンライン+会員限定です。
会員登録後、DCSオンライン+を契約いただくと読むことができます。

DCSオンライン+会員の方はログインしてから閲覧ください。

関連記事ランキング

関連キーワードの記事を探す

© 2024 by Diamond Retail Media

興味のあるジャンルや業態を選択いただければ
DCSオンライントップページにおすすめの記事が表示されます。

ジャンル
業態