鮮魚2023年夏売場づくり提案 成功する土曜丑の仕掛けと相場高でも売れる商品展開とは

解説:堀内 幹夫(エバーフレッシュ研究所)
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7月~8月は「盆商戦」をはじめ「土用の丑」や「半夏生」などがあり、食品スーパー(SM)では催事が続く時期だ。とくに今年の盆商戦は、コロナ感染が落ち着いたことで売上増が期待される。一方で、相場高や昨今のニーズの変化に留意した商品開発・販促が必要だ。鮮魚部門で今年の夏の商機をつかむための販促のタイミングや手法、商品化のポイントを伝える。

タコの相場が下がり「半夏生」に好機

 はじめに、7月の基本方針について述べたい。まず、重要となるのが催事の1つ「土用の丑」の成功だ。昨年の「土用の丑」は7月23日(土)だった。今年は7月30日(日)で、昨年と異なり「二の丑」(同じ年の土用期間における2度目の丑の日)はない。週末よりも平日のほうが全体売上に与えるプラス効果が大きいため、その点で今年は少し不利である。しかし、今年は昨年より遅めの日程であり梅雨明けしている可能性が高いなどよい点もある。7月27日(木)~30日(日)の4日間は、売上の最大化を図りたい。

 うなぎの売上は「土用の丑」当日の天気に左右される。雨でも売上を担保できるように予約販売は不可欠だ。予約販売のメリットを訴求し、予約率を高めたい。

 同じく7月の催事である「半夏生」は7月2日(日)だ。6月29日(木)~7月2日(日)の売り込みを強化したい。半夏生に提案するタコは、昨年と比べるとアフリカ産蒸しタコを中心に相場が少し下がり、売りやすい環境にある。前年比150~200%くらいを目標として大胆な計画をたてよう。有人での試食販売も実施したい。

 もう1つの催事である「七夕」は7月7日(金)だ。週末に向けて「ちらし寿司」を中心に仕掛ける。とくに保育園児や幼稚園児のいる家庭では、家庭でのパーティー機会が増える。

 7月8日(土)・9日(日)と15日(土)・16日(日)は、夏のボーナス時期だ。特上握り寿司や、特選刺し身盛り合わせなど、ちょっと豪華な商品提案を行う。

 7月13日(木)~16日(日)は7月盆の期間だ。7月盆のある地域は、刺し身商材が全面的に高騰しているため、刺し身の盛り合せの見直しが必要だ。7月盆でない地域・店舗でも1カ月後の8月盆に向けて、刺し身の盛り合わせ規格の見直しと商品化技術の向上を図っておきたい。

 そのほか、7月には小・中・高校生の夏休みが始まる。全国的な平均としては21日(金)頃からのスタートが多いと予測する。子供向けのランチメニューの提案と、夏休み以降の週末は、バーベキューや鉄板焼きメニューの提案を行いたい。

うなぎの提案では寿司や総菜に挑戦

 ここからは、7月の催事や商機における商品提案について提言したい。

 まず、

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