相場安予測下で単価アップ実現!2024年秋、鮮魚部門の商品政策

堀内 幹夫(エバーフレッシュ研究所)
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2024年も秋商材の出回りは遅い見込みで、とくに9月は旬の打ち出しが難しくなりそうだ。また、主力魚種は相場安の傾向が続いており、客単価を上げるためには例年に増して売場での提案力がモノを言うことになる。秋の各種イベントにもしっかりと対応しながら、万全の体制で年末商戦を迎えたい。

市況分析&今秋の方向性
年末商戦に向けた重要な準備期間

 まずは23年の同時期を振り返っておこう。コロナは昨年5月8日に5類感染症に移行し、人の動きが活発化。盆商戦は各地域で夏祭りなどのイベントが復活し、帰省客も増え、売上は一部の都市部を除けば全国的におおむね好調に推移した。

 鮮魚部門においては盆商戦以降も、BBQ商材の需要増加や相場安商品の動きがよかったことで売上好調が続いた。数値傾向としては、1人当たりの買い上げ点数は減ったものの、1品単価の上昇により売上が前年を超えた企業・店舗も多かった。

 秋の季節商材である生さんま・生秋さけはともに、ここ10年続く不漁と出回りの遅さがさらに際立った。ただ、それ以外の主力商品の相場は前年から好転し、なかでもサーモン類は、生アトランティックサーモン以外の養殖物(チリ産銀鮭・アトラン・トラウト)、そして天然物(紅鮭)までも相場安となった。刺身商材はメバチ・キハダマグロのほか養殖ブリも相場安となり、売上に貢献した。

 次に今秋(9~11月)について見ていくと、「シルバーウィーク」「お彼岸」「秋の土用入」「ハロウィン」「七五三参り」「ボージョレ・ヌーボー解禁日」と季節行事が目白押しである。このうちハロウィンとボージョレ・ヌーボー解禁日は洋風メニューの提案など、まだ目新しさのある販促を展開しやすい一方、シルバーウィークやお彼岸、七五三関連の仕掛けは昨今陳腐化が目立つ印象だ。「とりあえず刺身盛りを売り込むか……」などと例年どおりの発想に終始していてはもったいない。昨年以上に人流は増えているので、仮説検証を重ねながら斬新な提案で需要を最大限取り込みたいところだ。

 秋にもう1つ留意しておきたいのが、

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