NBからのスイッチが加速! 消費者調査であぶり出すPBのリアルな利用動向
食品小売業界では、大手流通グループからローカルスーパーまでさまざまな企業・団体がプライベートブランド(PB)商品を展開している。大手を中心に拡大が続く食品PBだが、昨今は物価高を背景に、その利用に変化が見られている。本誌恒例のmitoriz(ミトリズ:東京都/木名瀬博社長)のアンケート調査で、PBの最新利用動向を見てみたい。
利用者数は「トップバリュ」が最多
mitorizは、全国50万人以上のアクティブユーザーから月間1000万件のレシートデータを収集する消費者購買行動レポートデータサービス「マルチプルID-POS購買理由データPoint of Buy」(ポイント・オブ・バイ:以下、POB)を運営し、消費者の購買行動やその背景などを分析している。

2025年1月30日~2月23日、POB会員4840人を対象に、食品スーパー(SM)のプライベートブランド(PB)商品の利用状況に関するインターネットアンケートを実施した。回答者の平均年齢は49.9歳で、男性の割合は56.3%。居住地別では関東が4割強、近畿が2割弱を占めている。なお、本誌では24年2月にもほぼ同様の形式でアンケート調査を行っている(以下、前回調査)。
まず、最も利用しているPB(図表❶)は、前回調査と同様、「トップバリュ」が圧倒的に多かった。居住地別でもすべてのエリアでトップだった。これに次いで「セブンプレミアム」「業務スーパー商品」「みなさまのお墨付き」「CGC商品」「CO・OP商品」「情熱価格」「くらしモア」「くらし良好」の順で続く。
「トップバリュ」「セブンプレミアム」「業務スーパー商品」「みなさまのお墨付き」「CGC商品」「CO・OP商品」「情熱価格」「くらしモア」の上位8ブランドを対象に、PB商品を利用している人の購買動向を比較した。
家族構成を見ると、単身世帯の割合が多いのは「みなさまのお墨付き」と「情熱価格」だ。一方、「くらしモア」「CO・OP商品」「CGC商品」「トップバリュ」では3人以上の世帯が4割を超えている。
また、「CO・OP商品」では子供のいる世帯が57.6%を占め、他ブランドに比べて顕著に多い。一方、「みなさまのお墨付き」「セブンプレミアム」は子供のいない世帯の割合が6割を超えている。
世帯年収で比較すると、「年収500万円未満」の割合が多いのは「業務スーパー商品」と「CGC商品」だった。一方、「年収500万円以上」の割合が多いのは「CO・OP商品」「くらしモア」「セブンプレミアム」「みなさまのお墨付き」だった。
上位8ブランド、利用者のイメージ
次に、最もよく購入しているPB商品について、その理由や優れている点を聞いた(図表❷)。8ブランド全体では
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