23年度中食実態調査 コロナ前比で中食利用が増えた意外な業態、減った業態

稲垣 昌宏 (ホットペッパーグルメ外食総研上席研究員)
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中食の購入場所
「スーパーマーケット」が2年連続で増加

 また、245月に追加調査を行った同年4月の中食の購入チャネル別のシェアは次のとおりだ(図表1)。

図表1
  • 1位「スーパーマーケット」(月間利用率64.2%、対前年同月62.0%)
  • 2位「外食店のテイクアウト」(同26.0%、同26.5%)
  • 3位「コンビニエンスストア」(同24.0%、同23.7%)
  • 4位「百貨店(デパ地下など)」(同16.4%、同19.0%)
  • 5位「持ち帰り専門店(弁当など)」(同16.1%、同16.5%)
  • 6位「外食店の出前・デリバリー」(同7.2%、同6.7%)

  「スーパーマーケット」の利用率は2年連続で増加した。前年度に比べると、「外食店のテイクアウト」「持ち帰り専門店(弁当など)」は微減、「百貨店(デパ地下など)」はやや減少幅が大きくなっている。一方で、前述の「スーパーマーケット」以外に「コンビニエンスストア」「外食店の出前・デリバリー」はやや利用者が増加した。

 「外食店のテイクアウト」では、30代女性において、対前年比で5%以上の利用の増加が見られ、「百貨店(デパ地下など)」では、2030代女性において、対前年比で5%以上の利用の減少となっている。

「弁当」の購入率が3年連続で上昇

 中食の購入品目の上位5つは次のとおりだ(図表2)。

図表2
  • 1位「総菜・おかず・揚げ物類」(月間購入率51.3%、前年同月51.6%)
  • 2位「弁当」(同42.0%、同41.0%)
  • 3位「寿司・和食」(同35.7%、同36.2%)
  • 4位「パン・サンドイッチ・ハンバーガー、おにぎり類」(同28.1%、同27.3%)
  • 5位「カレー・丼もの」(同17.7%、同16.8%)

 上位5品目の順位は前年と変わらないが、「総菜・おかず・揚げ物類」の利用者は減少に転じた。「弁当」は購入率が3年連続して上昇し、逆に「寿司・和食」は3年連続して下がっている。

     なお、中食の購入理由を聞くと、以下の3つが挙げられる。

    • 1位「簡単に済ませたい」(59.0%、前年同月58.8%)・
    • 2位「料理するのが面倒なときがある」(39.9%、同41.2%)
    • 3位「料理をする時間がない」(31.8%、同31.5%)

     トップ3の理由には変化はなかったが、12位は数値が減少した。また、「人が集まる空間を避けられる」(4.1%、同6.1%)もコロナ禍が明けたことにより減少した。

    【調査概要】
    インターネット調査、調査期間:20234月~20243月(毎月)、有効回答数:毎月約1万人(首都圏、関西圏、東海圏の合計)、令和3年人口推計に基づいて性別・年代・地域の250区分でウエィトバックを実施

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    記事執筆者

    稲垣 昌宏 / ホットペッパーグルメ外食総研 上席研究員

    エイビーロード編集長、AB-ROAD.net編集長、エイビーロード・リサーチ・センター・センター長などを歴任し、2013年ホットペッパーグルメリサーチセンター・センター長に就任。市場調査などをベースに消費者動向から外食市場の動向を分析・予測する一方、観光に関する調査・研究、地域振興機関である「じゃらんリサーチセンター」研究員も兼務し、「食」と「観光」をテーマに各種委員会活動や地方創生に関わる活動も行っている。肉より魚を好む、自称「魚食系男子」

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