フルハーネス型義務化への変換期限が迫る墜落制止用器具、有効に活用したい買い替え補助金
フルハーネス型への買い替え経費 支援制度に注目
ホームセンターの売場でも、早くからフルハーネス義務化をにらんだMD(商品政策)が展開されてきた。最近の新規購入に当たっては、あらかじめ新規格に適合した製品が選定されているが、現在使用している器具を買い替える場合、厚生労働省の支援事業による補助金が受けられる場合があることを知っておきたい。1本当たりの上限は1万円で、同一申請者当たりの上限は30万円。
墜落制止用器具の新規格に適合していない既存の安全帯から、構造規格を上回る「フルハーネス型安全帯」への買い替えのほか、構造規格を上回る追加安全措置などの経費が支援の対象となる。
また申請ができる事業者は、労災保険に加入している幅広い業種に及んでいるが、基本的には小売店から器具を購入するケースが多い、中小・零細の事業者を意識した制度となっている。詳細は申請を受け付けている建設業労働災害防止協会(建災防)のホームページで紹介されている。申請は同ホームページからWEB登録し、返信されたメールに表示された登録番号を記入した申請書類一式を郵送するかたちで行う。ただし、申請額が20万円以下の場合は、直接申請するのではなく、フルハーネス型安全帯や安全帯の取り扱い実績を持つ、登録された全国約420店舗の「支援小売店」が、代行して申請する方式をとる。
登録は5月14日(金)から開始されており、7月15日(木)まで。申請額が予算規模を超える場合は、事業者の規模や作業条件などを基準に加点制度による審査を行い、加点合計の高い申請から交付される。加点基準は詳細に決められているが、雇用労働者数の少ない事業者は高い加点が受けられる仕組みだ。
なお注意したいのは、補助金は交付決定後に購入する場合にのみ受けられるということ。認可前の購入や、すでに購入済みの場合は対象にならない。さまざまな条件はあるものの、同協会で確認し、受けられる補助金は着実に活用していただきたい。