「健康」「独自」が特徴の商品を拡大する近商ストア、21年春夏商戦の取り組みとは
味、製法にこだわる独自商品
── まず定番売場の活性化策を教えてください。
筑後 現状、当社の価格政策はプライスカードに複数のタイトルを使っています。基本は、EDLP(エブリデー・ロープライス)で提供する「生活応援」、そしてそれより少し安い「得ダネ」です。加えて昨年4 月からスタートしたのが「得ダネパワー100 品目」。これはコロナ禍で少しでもお客さまの生活に貢献できればとの思いで、「得ダネ」よりさらに低い価格で100 アイテムを提供するものでした。
今年春夏商戦に向けては、2 つめの得ダネ対象商品を拡大します。日配品は現状約70 0アイテム、加食は約15 0 0アイテムありますが、4 月からいずれも最大2 0%増やします。購買頻度の高い商品を低価格で訴求することで集客力を強化するねらいがあります。
── 商品は、健康関連を拡充する方針ですね。
筑後 コロナ禍にあり需要がさらに大きくなっていると感じます。以前から健康は重要な切り口ですが、徐々に商品が変化しています。かつては「減塩」「低カロリー」「低糖質」「化学調味料不使用」といったように、何かの成分を減らした商品が主流でした。しかし最近は、食べることで特定の栄養素や成分を摂取できるタイプの商品が増えています。そういったアイテムをお客さまのニーズを考慮しながら提案します。
── 健康の一方、力を入れる独自商品はいかがですか。
筑後 約3年前から展開している、近商ストアのオリジナルブランド「Harves クオリティ」を積極的に訴求します。味、素材、製法、産地などを厳選、全国各地のメーカーと連携した商品で徐々に拡大しています。日配品では、愛媛県のメーカーと共同開発した練り物の「じゃこちくわ」を発売しました。既存の「八幡浜地魚じゃこ天」と合わせ積極的にアピールする方針です。
── 売場展開での取り組みはありますか。
筑後 「店長おすすめ」「チーフおすすめ」など、従業員の視点から商品を提案します。POP には顔写真も取り入れ、マイストアのコンセプトのもとお客さまに親しみを感じてもらえるような売場づくりを工夫しています。
65周年の節目迎える
── 春夏商戦で注目する新商品はありますか。
筑後 まずは雪印メグミルクの「MBPドリンク」です。プロテイン関連の商品となりますが、こちらは骨の形成によい影響を与えるという特徴を持っている商品に注目しています。
また日本水産の「毎日食べよう速筋タンパク海からサラダフレーク」も同様。この商品は、食べるだけで筋力の増加が期待できることをうたった商品です。これらのように同じプロテインでもさまざまな種類があり、それらを多く揃えることで売場の注目度を上げる方針です。
── 来店客の選択肢の幅も広がりそうですね。
筑後 冷凍食品では、「たいめいけん」シリーズの「サイコロステーキピラフ」と「デミグラスソースカツ」。同シリーズは東京日本橋の老舗洋食店の味を再現しており、おいしさにこだわった商品です。
またサントリーの「パーフェクトサントリービール」は、「糖質0」ながらビール本来のおいしさが楽しめるビール。アルコール度数も5.5%で、お酒が好きだが健康が気になるという方に飲んで欲しいです。
これらの商品も、売場でPOP を使いながらお客さまの目にとまりやすいように演出も工夫する考えです。
── さて最後に、春夏商戦に向けての意気込みを聞かせてください。
筑後 コロナ禍が続く難しい時代ですが、価格訴求、また特徴ある商品でお客さまのニーズに応えるとともに差別化を図ります。これにより客数が減る中でも買い上げ点数、客単価の拡大につなげていければと思います。
今年は、当社が小売業を創業してから65周年の節目の年でもあります。一人でも多くのお客さまに、近商ストアの店が「私のお店」と思っていただけるよう努めます。
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