ドリンクヨーグルト市場、健康増進の高まりを追い風に再び拡大基調に
よつ葉乳業:乳原料のおいしさに加え新たな価値をプラスした新商品を投入
北海道産乳原料にこだわり、自然な味を生かしておいしさを追求した、よつ葉乳業のドリンクヨーグルト。この秋は新たな価値を付加した新商品を投入し、家庭用の売上比率を高めていく考えだ。
味わい、容器、容量で差別化「よつ葉のむヨーグルト」
北海道産にこだわっているよつ葉の製品は、業務用として多くの食品メーカーや飲食店で選ばれている。近年は貿易自由化が急速に進み、海外製品とのさらなる競合が予測されることから、同社では北海道産乳原料にこだわった商品の開発に力を入れている。2018年秋には、乳原料は100%北海道産の「よつ葉のむヨーグルト」を発売。北海道産乳原料のおいしさに自信があるからこそ、シンプルなレシピで仕上げた。また、スリムで持ちやすいハンディ紙ボトルを採用。キャップ付きのため、再封することも可能だ。味わい、容器、容量で差別化を図ることで、徐々に配荷率も高まっている。
フレーバーは、ミルクの濃厚な味わいが特長の〈プレーン〉と、いちご・ブルーベリー・ラズベリーの3種のベリーをミックスした〈ベリーミックス〉のほか、期間限定フレーバーを展開。10月からは、香料を使用せず、果実の自然なおいしさを生かした〈国産みかん&ゆず〉を発売した。季節感のあるフルーツであることと、ヨーグルトと相性のよいフルーツであることなどが期間限定フレーバーの条件となっている。
毎日無理なく、おいしく摂取ミルクたんぱく質を強化
近年、美容や健康意識の高い女性を中心に注目が集まっているたんぱく質関連商品。新たな需要を創出し、今後も伸長し続けることが予想されている。同社が行った調査によると、たんぱく質摂取を目的とする食品として多くの人がチーズ、ヨーグルト、牛乳・乳飲料といった乳製品を選んでいることがわかった。しかもたんぱく質を強化していない一般的な牛乳やヨーグルトが選ばれているようだ。また、たんぱく質摂取として注目されるプロテインドリンクは「もっとおいしく摂取したい」などのニーズがあるようだ。
そこで同社では「毎日無理なく、おいしく、手軽に摂取できる」商品を投入することで、潜在ニーズを取り込み、さらなる市場拡大に貢献することが可能だと考え、10月1日に「よつ葉のむヨーグルト+ミルクプロテイン」を新発売した。たんぱく質を添加した商品が多いなか、同社では自然なおいしさにこだわり、北海道産乳原料にもともと含まれているミルクたんぱく質を濃縮することで高め、甘さひかえめ(たんぱく質15g/本)と砂糖不使用(たんぱく質16g/本)の2タイプを発売した。必須アミノ酸を豊富に含むミルクたんぱく質を効率的に摂取できるのも魅力的。容器は既存品同様にリキャップできるハンディ紙ボトルを採用した。
認知拡大を図るために、10月1日から1都6県と北海道でテレビCMを投下。また東京の私鉄と大阪の地下鉄で交通広告を約4週間展開した。さらに10月1日から11月30日まで同社公式インスタグラムをフォローして応募するキャンペーンも実施。北海道の酪農家の会社であるよつ葉乳業のモノづくりの姿勢やブランドの価値をさまざまな媒体を使って伝え、ファンを広げていく。
同社では新商品などの投入により、家庭用の売上比率を25%から22年度には35%にまで引き上げていくのが目標だ。
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