「ステイホーム」が追い風に伸長するエスニック料理市場のキーは「家でできる気分転換」

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ヤマモリ、タイフードの味の決め手「ナンプラー」巣ごもり消費背景に需要が大幅に拡大

「グリーンカレー」をはじめ、本場タイの味を手軽に楽しめるレトルト商品を多数展開するヤマモリ。今期は巣ごもり消費を背景に伸長する「ナンプラー」の販促に注力。ランディングページの立ち上げやレシピ提案で更なる市場拡大をねらう。

文=石山 真紀

ヤマモリの「グリーンカレー」「ガ パオの素」「カオマンガイの素」と「ナンプラー」

外食控えを背景に伸長するタイフード

 本場タイの味を手軽に楽しめるレトルトシリーズで、多くのロイヤルユーザーを持つヤマモリ。基幹商品の「グリーンカレー」が好評なヤマモリタイカレーシリーズは2020年4月に発売20周年を迎えた。発売当初はこだわりの専門店などでの取り扱いが中心だったが、徐々に市民権を得て、現在では主要な食品スーパーのレトルトカレーコーナーに品揃えされている。

 ラインアップは「グリーンカレー」「レッドカレー」「イエローカレー」「マッサマンカレー」「パネーンカレー」「プーパッポンカレー」「プリックカレー」「マンゴーカレー」の8品。今年5月、電子レンジ対応のパウチに全品リニューアルしたことで利便性が向上。多くのユーザーから高い評価を得ている。

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、外出の自粛ムードが高まる中、外食から内食への動きも加速。巣ごもり消費を背景に外食気分が味わえる付加価値型の商品が注目され、本場の味が手軽に楽しめるヤマモリタイフードの動きも非常によいという。

 たとえば、「グリーンカレー」は緊急事態宣言が発令された3・4月、ID-POS分析から見た購入者数は前年比の約2倍と大幅な伸長。ゴールデンウイーク以降、その波は落ち着いたものの、現在も前年比20~30%増で推移する。

 本格的なタイ料理を手軽につくることができる合わせ調味料、タイクックシリーズも好調だ。とくに「ガパオの素」は3・4月の購入者数は前年比の4~5倍、「カオマンガイの素」も2~2.5倍と大幅増となった。内食の回数が増えたことでメニューのマンネリ化に悩む主婦層に刺さったとみられ、リピート率も向上。人気メニューのひとつであるガパオは子供でも食べやすい「辛くないガパオの素」もラインアップすることで、幅広いユーザーのニーズに応えている。

手軽に試せる「ナンプラー」レシピを多数紹介

 コロナ禍ではレトルト商品をはじめとしたストック型の商品が伸長したといわれるが、ここにきてヤマモリの「ナンプラー」も大きく伸長している。

 同社の「ナンプラー」は生臭みが少なく、旨味がしっかりと効いており、開封後も中身が空気に触れない密封ボトルを採用することで、味も香りも長期間劣化せずに品質が保たれる。また、使いたい量を一滴から注ぐことができる点もポイントだ。

 ヤマモリの「ナンプラー」はアマゾンのカスタマーレビューでも4以上を獲得し(※20年9月17日現在)多くのロイヤルカスタマーを持つ商品だが、5月以降急激に需要が拡大して購入者数が多い時期は前年の4倍程度、平均しても前年比の50~60%増で推移する。

 タイ料理が家庭の中で浸透してきたことから、ヤマモリは20年下期の販促を「ナンプラー」に注力。首掛けによるレシピ提案をはじめ、QRコードから同ブランドのランディングページに飛べるような施策を打っていく。

 「ナンプラー」のランディングページでは、ナンプラーがどうつくられるかをはじめ、同社「ナンプラー」の商品特徴や30以上の簡単レシピを紹介していく。またインスタグラムも開設しており、「ナンプラー」を含めたタイフードの魅力をユーザーに訴求していく。

 新型コロナウイルスの影響はこの先も続くとみられ、家庭で手軽に本場の味が楽しめるエスニック調味料及びレトルト商材は伸びしろがあるとみられる。ヤマモリでは家庭でも実践しやすいレシピを紹介することでトライアルを増やし、タイフードの市場拡大に貢献していきたいとしている。

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