ロッテ新コミュニケーションで習慣化を図る「乳酸菌ショコラ」=2020年秋冬 注目マーケティングトレンド

ダイヤモンド・リテイルメディア 流通マーケティング局
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2020年秋冬マーケットトレンド

チョコレートで乳酸菌を摂取するという新しい提案が話題となり、発売から順調に拡大してきたロッテの「乳酸菌ショコラ」。今年で6年目を迎え、新たなユーザーを獲得するために、この秋に大型のリニューアルを行う。パッケージデザインを一新し、品質アップを図り、新コミュニケーションでトライアルを促進する。

乳酸菌摂取シーンを広げた「乳酸菌ショコラ」

ロッテノベーション本部 マーケティング部 戦略商品担当 新領域企画課 課長 中村 準 氏
ロッテノベーション本部 マーケティング部 戦略商品担当 新領域企画課 課長 中村 準 氏

 ロッテでは植物由来の乳酸菌である「乳酸菌ブレビスNTT001株」(以下乳酸菌T001と略す)の研究を続け、ロッテ独自の粒子サイズの細かいチョコレートに包まれた乳酸菌T001は生きたまま安定的に保たれ、胃酸にも負けずに生きて腸まで届くことを発見。機能だけでなく、口どけ滑らかなチョコレートとしておいしさにもこだわり、2015年に「乳酸菌ショコラ」を発売。

 「『乳酸菌ショコラ』は常温で持ち運べて、いつでもどこでも食べられるので、これまで制限のあった乳酸菌摂取のシーンを広げることができ、発売から順調に右肩上がりを続けてきました」(ロッテノベーション本部 マーケティング部戦略商品担当 新領域企画課 課長中村 準氏)

 乳酸菌チョコレートという新たなカテゴリーを創造し、認知率も8割以上と高く、熱烈なファンから支持されているブランドだが、ここ数年は新たなユーザーが獲得できていない状況だ。

 現在は新型コロナウイルスの影響もあり、世の中では健康意識の高まりから乳酸菌への関心が高まっており、コンフォートフードへの意識の高まりからチョコレートの需要も拡大している。また女性の社会進出により、乳酸菌に対する関心が高まってきている。時代の流れから鑑みても、さらに需要を拡大できるチャンスがあるブランドだ。

 そこで同社では非購買(継続)要因調査を行ったところ、「価格が高い」「機能への納得度が低い」「体感しにくい品質」という課題が浮き彫りになった。乳酸菌ショコラは今まで機能性表示などを活用し機能に関する訴求を行ってきたが、「本当に効果があるのか?」「何故生きて届くのか?」といった訴求内容への納得度が低い結果になっていた。加えて、リニューアル前の品質に関しては1日摂取目安量が7枚と、平均的なチョコの摂取量からすると多く、継続摂取することに対するネガティブなイメージが強いようだ。

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