ターゲット3つに絞り、PC活用した平和堂の青果MDの勝ち筋とは
平和堂(滋賀県/平松正嗣社長)は、「健康」「子育て」「高齢者」をテーマに青果部門の品揃えを充実させている。同社の商圏では食品を取り扱うドラッグストア(DgS)や価格訴求型のディスカウントストア(DS)の増加により競争が激化するなか、平和堂は今年度から新たに稼働したプロセスセンター(PC)を積極的に活用して独自商品を拡大し、競合店との「差異化」を図る方針だ。
DgSやDSなど競合が多い環境
平和堂が本社を構える滋賀県を中心とした同社商圏の競争環境は、食品を豊富に揃えるDgSやDSなどの競争力の高い競合が増えているのが現状だ。なかでもDgSは、青果を含む生鮮食品を低価格で販売しており脅威となっている。
こうした状況のなか、平和堂はそれら競合との「差異化」をめざした商品政策(MD)の各施策に取り組む。平和堂の青果部門を運営する生鮮食品事業部青果課の武藤貴信課長は「本来、青果は集客部門だが、品揃えを工夫し、売上高と利益の双方にも貢献できるよう努力している」と話す。
また、平和堂では持続可能な企業活動のため「地域の健康」を重視しており、「子育て」「健康」「高齢者」という3つをテーマに据え、それぞれターゲットを想定。青果部門においても、各テーマに沿った品揃えや売場づくりを実践している。
新PCの稼働でカット野菜の売上増
まず、「子育て」では、育児や仕事で忙しい人が多い30~40代に向けて素材の加工度を上げた「簡便・即食」「時短」商品を増やしている。平和堂が2023年10月に全館リニューアルオープンした複合商業施設「ビバシティ平和堂」(滋賀県彦根市)の1階に入る食品売場では、水洗い済みでそのまま料理に使える「千切りキャベツ」「ミックスサラダボリュームパック」などのカット野菜を豊富に並べる。
カット野菜は従来、
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