いまやスイーツに焼き肉も!? 飲み会回復とともに注目したい〆グルメ

有木 真理 (ホットペッパーグルメ外食総研所長)
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 お酒を飲んだ後の〆グルメ、みなさんは何をいちばんに想像するだろうか。ラーメン、お茶漬け、うどん、そばなど…やはり「炭水化物×汁物」を想像する人は多そうだ。しかしこの常識に昨今変化が見られる。
 1軒目の宴席で食事を済ませ、満足しているはずなのに、なぜか食べたくなる〆。「食べ過ぎで身体に悪いかな・・・」「太るかな…」など背徳感を感じながら食べる〆グルメはやめられないものだ。このなんともいえず人を惹きつける「〆グルメ」について今回は解説する。

〆グルメ
〆グルメの代表、ラーメン

飲酒シーンの多様化で
〆グルメにも変化が

 ご承知の人も多いと思うが、昨今、この飲んだ後の〆グルメが多様化している。背景の1つには、飲酒行動の変化があるだろう。以前は、2次会といえば、バーやダイニング、居酒屋などお酒を飲むことを前提とした場所が主流であったが、お酒を飲まない若者、またお酒を飲まない日を選択する人も増え、飲酒シーンのダイバーシティが進んでいるのだ。

 そもそも、〆の炭水化物×汁物といっても多種多様にある。ご当地ならではの〆グルメがあることも面白い。ラーメン1つをとっても、福岡は豚骨、北海道は味噌など、そのほかにもご当地ラーメンは数知れず。

 また香川県は、コシの強いうどんをあっさりとした出汁で、宮崎県では、柔らかいうどんを甘辛いたれにつけて食す。沖縄では沖縄そばではだけでなく、〆ステーキなる食文化も存在する。

 この〆グルメのマーケットについて、ホットペッパーグルメ外食総研では、消費者の意識とニーズについて調査を行った。

 まず、そもそも「〆グルメを食べたいか?」という問いに対しては、「思う」が37.1%、「思わない」が40%、「どちらでもない」が22.8%と、〆グルメのニーズは2分化された。そして「背徳的」だと思われながらも、全体の4割近くもニーズがあることが分かった。

〆グルメに人は何を
求めているのか

目的
〆グルメを食べる際は、お酒を飲んで開放的な気持ちになっているようだ

 次に、〆グルメを食べたいと思うカスタマーに対して「〆グルメの目的」を問うたところ、「その時の自分の欲求をみたせること」33.5%、「食べない方がいいのはわかっているが我慢できない」17.5%で、この結果から推測するに、やはりお酒を飲んで、開放的な気持ちになっているケースが多いのではないかと考える。

 一方、「食べても翌日の胃腸にやさしいこと」「胃を落ちつかせる」など身体を気遣う回答も少なくなかった。食欲や、胃袋のコンディションの状況によって、〆グルメを選んでるいると言える。

 また、「〆グルメの位置づけ」についても質問すると、「親しいメンバーだけで過ごす場」27.2%。「話したりなかったことを話す場」が18.6%。なかには、「一人でゆっくりできる場」と答えた人も15.6%おり、1次会とはシーンを 変え、自身の嗜好に合わせてお店やグルメを選択する裏付けとなる結果となった。1次会の宴会とはシーンを変え、リセットする場としても〆グルメは活用されているのかもしれない。

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記事執筆者

有木 真理 / ホットペッパーグルメ外食総研 所長

飲食チェーン店での勤務やフードコーディネータ、リクルートライフスタイル沖縄の代表取締役社長を経て、現職。東京と沖縄の2拠点生活を送りながら、現在は販促渉外部長も兼任。外食回数年間300回と、大の外食好きで、日本各地の外食事情に詳しく、立ち飲みから超高級店まで幅広いジャンルに精通。食を通じて「人」と「事」をつなぐ活動のオーガナイザーとしても活躍。沖縄スポーツ関連産業協会の理事も務めているため、食以外にも観光、スポーツにも関わっていることから外食だけでない視点での食トレンドを語ることができる。

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